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債権とは、大陸法系の私法上の概念で、ある者が特定の者に対して一定の行為を要求することを内容とする権利です。
ある者(債権者)が、特定の相手方(債務者)に対して、一定の行為(給付)をするよう要求できる権利をいう。
債務者の側から見た場合は、これは債権者に対する義務であり、債務と呼ばれる。また、債権者と債務者のこのような法律関係のことを、債権債務関係という。
◆債権の本質
債権は、物権と同じく財産権であるが、以下の点で物権とは異なる。
◎物権は、物の支配を目的とする権利である(物権の直接性、物権の対世性)が、債権は債務者の行為(給付)を目的とするものである(債権の対人性)。
債権の対人性のコロラリーとして、「売買は賃貸を破る」がある。すなわち、例えば、所有者によって目的物が譲渡された場合を比べると、地上権者は、新所有者に対しても地上権を主張できる(継続して利用できる)が、賃借人は新所有者に対して賃借権を主張できない(継続して利用できない)。もっとも、不動産賃借権や船舶賃借権については、民法、商法及び借地借家法において、この重大な例外が規定されており、一定の対抗要件を具備することにより新所有者にも、対抗することができるようになっている。いわゆる、「債権の物権化」と呼ばれる現象である。
◎相互に矛盾する同内容の物権は併存しえないが(物権の排他性)、相互に矛盾する同内容の債権は併存しうる。
例えば、同じ土地について建物所有目的の地上権を二重に設定することはできないが、建物所有目的の賃借権を二重に設定することは可能である(後者は、債務不履行責任によって解決される)。
◆債権の分類
◆発生原因による分類
現在の日本の民法においては、民法第3編債権において、その発生原因として、契約、事務管理、不当利得及び不法行為の4つを規定している。当事者間の合意により発生する債権を約定債権といい、契約による債権がこれに属する。一方、法律の規定によって生じる債権を法定債権といい、事務管理、不当利得、不法行為による債権がこれに属する。
◆特定物債権
特定物債権とは、物の個性を重視した特定物の給付を内容とする債権をいう。例えば、土地の引渡し債務や中古品の引渡し債務などである。
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◆債権の効力
◆債権者代位権と詐害行為取消権
債務者の責任財産を保全するため、民法は債権者代位権と詐害行為取消権を認めた。
◆債権者代位権
債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を自ら行使することができる。ただし、債務者の一身専属権については行使できない。
◆詐害行為取消権
債権者は原則として債務者が債権者を害することを知ってした法律行為(詐害行為)の取消しを裁判所に請求することができる。
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◆債権債務の共同帰属
◆多数当事者の債権債務
準共有について定める264条本文は、「この節の規定は、数人で所有権以外の財産権を有する場合について準用する」とし、本来であれば債権も「所有権以外の財産権」として準共有が成立するが、金銭の給付などに共有物分割規定を準用するのは煩雑であることなどから、民法は多数当事者の債権債務関係については民法第3編第1章総則第3節の多数当事者の債権債務の規定を置いている。
◆保証債務
◎単純保証
◎連帯保証
◎共同保証
◎貸金等根保証契約
◆連帯債務
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◆債権の移転
債権の移転原因には、次のようなものがある。
◎契約による移転
◇債権譲渡(営業譲渡および事業譲渡による場合も含む)
歴史的には、債権譲渡(債権者の変更)は、債権の本質に反するという考え方も根強く存在していたものの、近代以降においては、債権譲渡自由の原則が強調されるようになった。日本においても、債権の自由譲渡を認めない慣例が存在したとされ、当初は債権譲渡自由の原則に対する抵抗が強かったものの、特約により譲渡性を排除できる規定を設けるという形で妥協がなされ、現在に受け継がれている。
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◆債権の消滅
債権の消滅原因には、次のようなものがある。
◎目的消滅による債権の消滅
◇目的到達による債権の消滅
◇弁済
弁済(履行)によって債権は消滅する。第三者弁済、担保権実行、強制執行なども含め、すべて目的到達として債権は消滅する。
◇代物弁済
債務者が債権者の承諾を得てその負担する本来の給付に代えて、他の給付をした場合(代物弁済)には弁済に準じ債権は消滅する。
◇供託
債権者が弁済について、受領拒絶、受領不能のときは、弁済者は、債権者のために弁済の目的物を供託することができ、この場合には、弁済に準じ債権は消滅する。なお、弁済者が過失なく、債権者を確知することができないときも供託しうる。
◇目的到達不能による債権の消滅
債権者の責めに帰すべからざる事由による履行不能(危険負担)がこれにあたる。なお、債務者の責めに帰すべき事由に履行不能の場合、債務不履行による損害賠償という形に変わって債権は存在することになり、債権は消滅しない。
◎目的消滅以外の債権の消滅
◇相殺
二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者はその対当額について相殺によって、その債務を消滅させることができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、相殺は認められない。
◇更改
当事者が債務の要素を変更する契約をしたときは、旧債権は消滅する。
◇免除
債権者が、債務者に対して債務を免除する意思表示をしたときは債権を消滅する。
◇混同
債権及び債務が同一人に帰属した場合には債権は消滅する。ただし、その債権が第三者の権利の目的であるときは消滅しない。
◎権利の一般的消滅原因による債権の消滅
法律行為の取消し、消滅時効、終期の到来、解除条件の成就、契約の解除、合意解除(反対契約)など権利一般の消滅原因によっても債権は消滅する。
以上の上滅原因のうち弁済(代物弁済、供託)、相殺、更改、免除、混同については、民法第3編第1章総則第5節で規定される。