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簡単法律講座「行政法とは・・」


◆行政法とは・・
行政法とは、行政特有の活動について、私人相互の関係とは異なる規律をする国内法である。
行政法とは、「行政に関する法」あるいは「行政に特殊固有な法」をいう。行政法は、「民法」や「商法」のように単独の法典が存在しているわけではなく、行政に関連する法律の総称を言う。
行政法は、国や公共団体の行政活動を対象とします。もっとも、「行政法」というタイトルの法律があるわけではありません。日本国で施行されている数多くの法律のなかから、行政に関して定められている法律をまとめて表現した言葉が、行政法なのです。
 

◆行政法の特色
法律による行政の原理には、①法律の優位、②法律の留保、③法律の法規創造力の三つの原理が含まれる。

◆行政の定義に関する考え方
◎控除説
行政とは、国家作用のうち、立法と司法を除いたものである。

◎積極説
行政とは、法の規制を受けながら、現実具体的に国家目的の積極的な実現を目指して行われる全体として統一性をもった継続的な形成的国家活動である。

行政の定義に関しては、控除説が有力です。その論拠としては、三権分立の形式過程に忠実であること、積極説をとると、行政の自立性や責任制を強調するあまり、行政権の広い裁量権を正当化することになり、三権分立に反するおそれがあることがあげられます。

◆行政法の基本構造
行政法は、次に示す三つの観点から分類されます。

◎行政法の構造:三つの観点からの分類
◇誰が行政活動を行うのか→行政組織法
◇行政活動において何を行うのか→行政作用法
◇行政活動によって国民が不利益を受けたときには、どのように救済されるのか→行政救済法


◆行政組織法
行政組織法とは、行政組織に関する法律を総称したものです。つまり、国、地方公共団体その他の行政活動を行う者(行政主体)にその存在の根拠を与え、これらの行政主体が設置する行政機関とその名称、任務および担当の事務の範囲などについて定めて法律です。


◆行政作用法
行政作用とは、行政目的を実現するために、国や地方公共団体などの行政主体が国民の権利または利益に対して影響を与える行為をいいます。行政作用法は、この行政作用について規定する法律を総称したものです。

◎行政作用の性質による分類
◇権力的行政作用
国または地方公共団体が優越的な地位に立って公権力を行使し、国民に命令強制することを本質とする行政作用
具体例:税金の徴収など

◇非権力的行政作用
国または地方公共団体が国民と対等の立場に立って行う行政作用
具体例:行政契約

◆行政救済法
行政救済法とは、行政活動によって不利益を受けた国民の救済方法について規定した法律の総称です。


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◆日本国憲法と行政法との関係
日本国憲法は、国家権力から国民の基本的人権を守るため制定された国の最高法規です。行政法は憲法を具体化する法律群であるということができます。

◎行政組織法
憲法の規定する人権保障を実現するのに適する行政組織を構築する

◎行政作用法
憲法第三章「国民の権利及び義務」を保障するため、行政作用の内容と限界を定める

◎行政救済法
人権保障のため、憲法が保障する司法的救済のうち、特に行政作用に対する救済に関して具体化する


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◆行政法の基本原理
行政法の基本原理には、①法律による行政の原理と、②行政裁量があります。

◎法律による行政の原理
法律による行政の原理とは、行政権の行使を法の拘束の下に置き、その適正を図ろうとする原理をいいます。これは、行政権の権力乱用から国民の自由を守るための原理です。この原理には、①法律の優位、②法律の留保、③法律の法規創造力の三つの原理が含まれます。

①法律の優位
法律の優位とは、いかなる行政活動も、行政活動を制約する法律の定めに違反してはならないという原理です。

②法律の留保
法律の留保とは、行政活動を行うには法律の根拠が必要であるとする原理です。

③法律の法規創造力
法律の法規創造力とは、新たな法規の定立は、国民代表としての議会の定立する法律、またはその授権に基づく命令の形式においてのみすることができるという原理です。したがって、国民の意思が間接的にしか反映されない行政府が法規を定立するには、法律の委任が必要となるのです。


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◆行政裁量
現代の行政活動は広範でさまざまな分野に及んでおり、複雑で流動的な事態への対処が求められます。しかし、このような事態をすべて予想して立法することは困難ですし、流動的な事項については、法の弾力的な運用を可能にしておく必要もあります。
そこで、行政側に裁量の余地を残しておく必要があります。このような行政活動における裁量を行政裁量といいます。そして、裁量に基いて行われた行政行為を裁量行為といいます。


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◆公法および私法
行政法は公法に分類され、その対象となるのは、行政機関の公法に基く行為のみである。

◎公法と私法
公法とは、国または地方公共団体とその構成員(国民、住民)の関係について定めた法律をいいます。一方、私法とは、私人相互の関係について定めた法律をいいます。
行政法は公法に分類されます。

◎公法と私法の関係に関する判例
行政法の対象となるのは、行政機関の公法に基づく行為です。たとえば、行政救済法により救済されるのは、行政機関の公法に基づく行為によって不利益を受けた場合です。行政主体と私人との関係において、両者に公法が適用されるのか、私法が適用されるのかについて、判例の立場を整理しておきましょう。

◇私法の適用を否定した判例
①相隣関係に関する民法234条1項と建築基準法65条との関係
→防火地域に関する建築基準法の規定は、民法の近隣規定に関する特別法として適用される
防火地域内にある耐火構造の建築物の外壁を隣地境界線に接して設けることができるとしている建築基準法65条の規定は、同条所定の建築物に限り、建物を築造するには境界線から50㎝以上の距離を保たなければならないとする民法234条の規定の特則として、民法の規定を排除するものである

②公営住宅の法律関係と民法・借地借家法の適用
→公営住宅の場合は、賃借権の承継を否定
公営住宅の入居者が死亡した場合に、被相続人の行政上の地位を相続できるかについて、その相続人は当該公営住宅を使用する権利を当然に承継するわけではない

◇私法の適用を肯定した判例
①食品衛生法違反と売買契約の効力
→単なる取締規定に違反する売買契約は無効ではないとして私法の適用を肯定
食品衛生法上の許可を得ないで取引をした場合であっても、その取引に関する売買契約は無効ではない

②公営住宅の法律関係と民法・借地借家法の適用
→民法・借地借家法の適用を肯定
公営住宅法ならびに関係条例が特別法として優先して適用されるが、同法および条例に特別の定めがないときは、一般法である民法および借地借家法が適用される

③建築基準法に基づく道路位置の指定がなされている私道と通行妨害排除
→妨害排除請求権と民事訴訟を提起する利益を肯定
建築基準法に基いて道路位置の指定がなされている私道の敷地所有者が、私道の通行を妨害している場合に、私道を通行することにつき日常生活上不可欠の利益を有する者は、これに対して妨害行為の排除を求める権利を有する






◆地方自治とは・・

日本国憲法では、地方自治が憲法上の基本的な統治機構の一環として位置付けられ、地方公共団体の組織と運営は、地方自治の本旨に基づき、法律で定められています。
(詳細→「地方自治とは・・」






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(記事作成日、平成29年3月6日)



 

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