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地方自治法:地方公共団体の機能とは・・


◆地方公共団体の事務

 地方公共団体は、独自の事務である自治事務と、本来は国等が行うべき法定受託
 事務とを行う。

 ◎地方公共団体の事務

  ◇1999年(平成11年)改正前の地方公共団体の事務

   かつて地方公共団体の事務として、自治事務(公共事務、団体委任事務、
   行政事務)と、機関委任事務(国から都道府県知事や市町村長の機関に
   委任された国の事務)とがありました。
   このうち、機関委任事務は、国が地方公共団体の機関を、あたかも国の
   下部機関のように活用し、国の事務を行われるものです。そのため、
   事務の遂行について国の包括的な指揮監督を受けていました。このような
   機関委任事務は、国の地方に対する中央集権的な管理体制の象徴であり、
   日本国憲法が認めた地方自治制度の理念にそぐわないのではないかという
   問題意識がかねてからありました。

  ◇1999年(平成11年)改正後の地方公共団体の事務

   そこで、国と地方公共団体の関係を、従前の上下・主従の関係から、
   対等な協力関係に転換することなどを目的として、1999年に地方自治法
   の大改正が行われました。
   具体的には、機関委任事務の全面的な廃止です。従前の機関委任事務の
   多くは、地方公共団体に委譲され、地方公共団体の独自の事務、いわゆる
   自治事務に移されたのです。
   また、本来は国が行うべきですが、国民の利便や事務処理の効率化等の
   理由から、地方公共団体に実施させるのが妥当と判断できる事務もあり
   ます。このような事務については、法律または政令で、地方公共団体の
   機関ではなく、地方公共団体そのものにその実施をさせることになりま
   した。これを法定受託事務といいます。

  ◇自治事務と法定受託事務

   ◇法定受託事務

    国または都道府県が本来果たすべき役割に係るものであって、国または
    都道府県においてその適性な処理を特に確保する必要があるものとして
    法律または政令により特に地方公共団団体が処理することとされる事務
    をいう。
    性質としては、国または都道府県が本来果たすべき役割に係るものであ
    り、国または都道府県においてその適性な処理を特に確保する必要のあ
    る事務になります。
    具体例として、国政選挙、旅券の交付、国の指定統計、国道の管理、
    戸籍事務等があります。
    種類として、第一号法定受託事務と第二号法定受託事務があります。
    第一号法定受託事務とは、国が本来果たすべき役割に係るものであって、
    地方公共団体が処理することとされる事務になります。
    第二号法定受託事務とは、都道府県が本来果たすべき役割に係るもので
    あって、市町村が処理することとされる事務になります。
    条例を制定することはできます。
    監査委員の監査は、原則としてできます。国の安全を害するおそれが
    あることその他の事由により監査委員の監査の対象とすることが適当で
    ないものとして聖隷で定めるものは除かれます。
    国の関与は、①助言または勧告、②資料の提出の要求、③同意、④許可、
    認可または承認、⑤指示、⑥代執行、⑦協議があります。

   ◇自治事務

    地方公共団体が処理する事務のうち、法定受託事務以外のものをいいます。
    性質としては、地方公共団体の自主性・自立性が特に尊重されるべき事務
    になります。
    具体例としては、病院および薬局の開設許可、飲食店営業の許可、土地
    改良区の設定認可、都市計画の決定等があります。
    種類としては、法定自治事務と非法定自治事務があります。法定自治事務
    は、法律に基づく事務になります。非法定自治事務は、条例、規則に
    基づく事務になります。
    条例を制定することはできます。
    監査委員の監査は、原則としてできます。労働委員会および収用委員会の
    権限に属する事務で政令で定めるものは除かれます。
    国の関与は、①助言または勧告、②資料の提出の要求、③是正の要求、
    ④協議があります。












地方公共団体の行う事務は、自治事務と法定受託事務とに分けられます。

自治事務とは、地方公共団体独自の事務のことであり、
法定受託事務以外の事務を言います。

これに対し、法定受託事務とは、国が本来果たすべき役割を負う事務で
ありながら、その適正な処理の確保のため、法令により特に地方公共団体に
その処理が委託される事務のことを言います。

地方公共団体は、法律の範囲内で条例および規則を制定することができます。

地方公共団体は、法律に基づき行政の任にあたっていますが、
法律は、全国一律の基準で規制しているのが一般的であり、
その内容によっては、当該地方の実情などに即していないことが想定されます。

そこで、その地域の実情に合わせた規制をするなどの必要性から、
地方公共団体に条例および規則の制定権が認められているのです。

条例が法律に抵触するかどうかは、形式的な文言によって
決められるのではなく、その規制の趣旨などから実質的に判断されます。

そのため、国が定めた基準よりも厳しい基準を設けた上乗せ条例や、
国が定めていない部分みついても規制をする横出し条例なども
認められることがあります。

 

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(記事作成日、平成29年3月30日)



 

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