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経済的自由権:職業選択の自由、営業の自由とは・・


日本国憲法21条1項では、私たちがどんな職業を選んでも、
自由であるとしています(職業選択の自由)。

また、選ぶだけでなく、実際にその職業を行うことができる自由
(営業の自由)をも同項によって保障しています。

◆憲法第22条1項
「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を
 有する。」

この職業に関する自由は、経済的自由というグループに属しますが、
表現の自由などの精神的自由に比べると、より強い規制を受けることが
あります。

なぜなら、例えば、不正を働く政府に対して、批判的な報道はできないような
制限が課せられると、国民が正確な情報を知ることができず、
選挙において政治を正すことができなくなってしまいます。

したがって、裁判所が表現の自由を規制する立法を厳格に審査し、
積極的に介入することが必要となるからです。

また、経済的自由に対する規制には、法的な知識のみならず、
社会的、経済的な専門知識が要求されるのに対して、
表現の自由は、経済的自由と比べると政治的見地による政策的判断が要らず、
裁判所に意見判断をする能力と適格があることもその理由として
挙げることができます。

このように、精神的自由に対する規制と経済的自由に対する規制を
異なる基準で憲法に反するかどうかを判断することを
「二重の基準」と言います。

そして、さらに経済的自由は、その規制目的に応じて、
2つの異なる審査基準が考えられています。

それは、公共の安全や秩序維持のための規制、福祉を実現するための規制に
なります。

規制の方法は、主として国民の生命および健康に関する危険を防止するために
なされる消極目的規制と、社会的・経済的弱者を保護するためになされる
積極目的規制とに分かれます。

規制の目的による分類であることから、規制目的二分論と言います。


◆規制の合憲性判定基準

 合理性の基準が用いられます。

 この基準は、立法目的および立法目的達成手段の双方について、
 一般人を基準にして合理性が認められるかを審査するものです。

 合理性の基準は、精神的自由の規制の判断基準よりも緩やかな基準です。

 この合理性の基準は、立法府の判断に合理性があることを前提とします。

 つまり、原則として合憲性が推定されます。

 合憲性の基準は、消極目的規制に用いられる厳格な合理性の基準と、
 積極目的規制に用いられる明白性の原則とに分かれます。

 ◎消極目的規制
  厳格な合理性の基準(裁判所が規制の必要性、合理性及び同じ目的を
  達成できる、よりゆるやかな規制手段の有無を、立法事実に基づいて
  審査します)

 ◎積極目的規制
  明白の原則(立法府の広い裁量を認め、当該規制措置が著しく不合理で
  あることの明白である場合に限って、違憲とします)

 


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(記事作成日、平成29年4月5日)



 

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