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◆株式会社の機関
◎機関とは
機関とは、法人の意思決定または行為をする者として、法により定められて
いる自然人や会議体を言います。
◎機関の種類
株式会社の機関には、株主総会、取締役、取締役会、代表取締役、会計参与、
監査役、監査役会、会計監査人、監査等委員会、指名委員会等および執行役
があります。
◎株式会社の機関設計
◇機関設計の考え方
株式会社における機関設計の考え方は、公開会社と公開会社でない会社
(非公開会社)で大きく異なります。
公開会社では、大規模経営をしやすくするため、社員の間の人的な
信頼関係を重視せず、機関を分化し、機関相互の分担と抑制・均衡を
はたらかせることとしています。
これに対し、非公開会社では、特に大会社でなければ、必要的機関の
株主総会と取締役を設置すれば、それら以外の機関については
比較的自由に設計をすることが認められています。
ただし、機関設計はまったく自由というわけではありません。
会社法が定める機関設計のルールは次のとおりです。
◇機関設計のルール
①すべての株式会社には、株主総会と取締役を設置しなければならない。
②取締役会の設置は原則として任意である。
③取締役会を設置する場合は、原則として、監査役、監査等委員会
または指名委員会等のいずれかを設置しなければならない。
④監査役会、監査等委員会または指名委員会等を設置するには、
取締役会を設置しなければならない。
⑤監査役(監査役会)と監査等委員会または指名委員会等を同時に
設置することはできない。
⑥会計監査人を設置するには、監査役(監査役会)、監査等委員会
または指名委員会等のいずれかを設置しなければならない。
⑦監査等委員会または指名委員会等を設置するには、会計監査人を
設置しなければならない。
⑧会計参与は、すべての株式会社に任意に設置できる。
⑨公開会社は、取締役会を設置しなければならない。
⑩大会社は、会計監査人を設置しなければならない。
⑪公開会社である大会社は、監査役会、監査等委員会または指名委員会
等のいずれかを設置しなければならない。
◆株主総会
取締役会設置会社の株主総会は、会社法および定款の定める事項に限り、
決議をすることができる。
◎株主総会の位置づけ
株主総会とは、株主により構成される、会社の基本的な事項について
意思決定をする必要的機関です。
◎株主総会の権限
◇取締役会設置会社でない会社における権限
取締役会設置会社でない会社における株主総会では、会社法に規定する
事項および株主会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の
事項について決議をすることができます。
これは、株主が、株主総会の決議を通じて会社経営に関与することが
否定されていないことを意味します。
◇取締役会設置会社における権限
取締役会設置会社における株主総会では、会社法に規定する事項および
定款で定めた事項に限って、決議をすることができます。所有と経営の
分離を徹底して、経営の合理化を図る趣旨です。
◎株主総会の招集
◇招集の時期
定時株主総会は、毎事業年度の終了後、一定の時期に招集しなければ
なりません。
しかし、それ以外でも、株主総会は必要がある場合には、いつでも招集
することができます。
◇招集権者
株主総会の招集は、原則として取締役が行います。取締役会設置会社でない
会社にあっては取締役、取締役会設置会社にあっては取締役会の決議で、
日時および場所、目的事項などを決定して招集します。
◇招集手続
◇招集の通知期間
招集通知は、株主総会の日の2週間前までに発信するのが原則です。
株主に出席の機会と準備の余裕を与えるためです。
◇通知方法
取締役会設置会社の場合は、書面によって通知しなければならないのが
原則です。ただし、株主の承諾を得て、電磁的方法で行うことも
できます。
◎株主提案権
◇株主提案権の意味
株主提案権とは、会社が株主総会を召集する機会を利用して、株主が
一定の事項を会議の目的とする権利をいいます。
◇議題提案権
株主は取締役に対して、一定の事項を株主総会の目的とすることを
請求することができます。ただし、当該株主が議決権を行使することが
できる事項に限られます。
議題提案権を行使するには、次のような要件が必要となります。
◇議題提案権の行使要件
◇取締役会設置会社でない会社
単独株主権
◇公開会社でない取締役会設置会社
総株主の議決権の1/100以上または300個以上の議決権を
有する株主
◇公開会社
総株主の議決権の1/100以上または300個以上の議決権を
6ヶ月前から引き続き有する株主
◇議案提案権
株主は株主総会において、株主総会の目的である事項につき議案を
提出することができます。
◇議案の要領の通知請求権
株主は取締役に対し、株主総会の会日の8週間前までに、株主総会の
目的である事項につき当該株主が提出しようとする議案の要領を、
株主に通知することを請求することができます。ただし、この権利の
行使については、議題提案権と同一の要件が定められています。
◎議決権
◇議決権の意味と一株一議決権の原則
議決権とは、株主総会で決議を行う権利のことです。
株主は、株主総会において、原則としてその有する株式一株について
一個の議決権を有します。これを一株一議決権の原則といいます。
一株一議決権の原則の例外として、次に示す株式には議決権が認められ
ません。
◇一株一議決権の原則の例外
◇議決権制限株式
定款の定めにより議決権の行使を制限された事項につき議決権を
行使できない。
◇自己株式
会社支配の公正さを担保するため、自己株式について会社は議決権を
行使できない。
◇相互保有株式
会社がその総株主の議決権の1/4以上を有することがその他の事由
を通じて会社がその経営を実質的に支配することが可能な関係にある
ものとして法務省令で定める株主は、所有株式について、議決権を
行使することができない。
◇基準日後に発行された株式
議決権につき基準日が定まっている場合に、その日に株主でない者は、
議決権を行使できない
◇特別利害関係を有する株主が有する株式
会社が自己株式を取得することを承認する株主総会における、会社に
株式を譲渡する株主のように、特別利害関係を有する株主は、株主間
の公平を害するため、議決権を行使できない
◇単元未満株式
一単元に一議決権が与えらえるので、単元未満の株式に議決権は
与えられない
◇議決権行使の機会の保障
株主にとって議決権は重要な権利ですから、その行使の機会を保障して、
株主の意思を経営に反映させる必要があります。そこで、①議決権の代理
行使、②議決権の不統一行使、③書面および電磁的方法による議決権の
行使方法がそれぞれ認められています。
◇議決権の代理行使
株主は、代理人によってその議決権を行使することができます。
◇議決権の代理行使
株主は、代理人によってその議決権を行使することができます。
◇議決権の不統一行使
株主は、その有する議決権を統一しないで行使することができます。
本来、株主は同じ意思に基づき統一的に議決権を行使するのが普通です。
しかし、株主が株式の信託を受けているなど、他人のために株主を保有
する場合には、その他人の意向に沿って議決権を行使することを認めた
ほうが妥当なため、不統一行使が認められているのです。
取締役会設置会社にあっては、不統一行使をする株主は、総会の会日の
3日前までに、会社に対して、その有する株式を統一しないで行使する
旨およびその理由を通知しなければなりません。
事務処理上の便宜や不真面目な議決権行使の防止のため、会社は、
他人のために議決権を有する者でないときは、不統一行使を拒絶する
ことが認められています。
◇書面および電磁的方法による議決権の行使
株式会社では書面による投票、電磁的方法による投票(電子投票)が
認められています。
◎議事および決議
◇議事と議事録
取締役、会計参与、監査役および執行役は、株主総会において、株主から
特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な
説明をしなければなりません。もっとも、正当な事由があればこの説明
義務は免除されます。
株主総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を
作成する義務があります。作成した議事録は、株主総会の日から10年間、
本店に備え置かなければなりません。
この議事録につき、株主および債権者は、株式会社の営業時間内はいつでも
閲覧および謄写を請求することができます。
◇決議の原則とその修正
株主総会では一株一議決権の原則がありました。これを踏まえ、株主総会
における決議にあたっては、議決権の過半数で議事を決するのが原則です。
しかし、会社法上、少数派株主を保護するなどのため、多数決原理の限界
や修正が定められています。
たとえば、強行法規に反するような内容の決議や、株主平等の原則に
反する決議をすることは許されません。仮にそのような決議をすると、
株主総会決議無効確認の訴えの対象となります。
◇決議方法
株主総会での決議には、①普通決議、②特別決議、③特殊決議の3種類が
あります。
◇株主総会決議の省略
取締役または株主が株主総会の目的である事項を提案をした場合において、
当該提案につき議決権を行使できる株主の全員が、書面または電磁的記録
により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の総会決議が
あったものとみなされます。
◎種類株主総会
会社が数種の株式を発行した場合は、異なる種類の株主の間で、各種の権利の
調整が必要となるため、種類株主総会の制度が設けられています。
種類株主総会は、会社法に規定する事項および定款で定めた事項に限り、
決議することができます。
◎株主総会決議の瑕疵
株主総会の決議が会社の意思決定として完全な効力を生ずるためには、
決議に手続上および内容上の瑕疵がないことが必要です。しかし、決議は
会社内部だけでなく、会社外の取引関係者など多数の者の利害関係者に影響し、
決議を前提に多くの関係が進展しているので、仮に瑕疵ある決議を一律に
無効として扱うと、法的安定性に悪影響を及ぼします。そこで、瑕疵ある
決議を一律に無効とするのではなく、瑕疵の類型ごとに瑕疵を争う訴えが
認められています。
◆設立時の役員等の選任
設立手続においては、会社設立時の役員等を選任する必要があります。
設立時の役員等は、発起設立の場合は、発起人の議決権の過半数によって
選任します。
募集設立の場合は、創立総会の決議で選任します。
設立時取締役は、発起人を監督する役割を担っており、設立事項
(現物出資等の定款記載価額が相当か、出資の履行が完了しているか、
設立手続に法令・定款違反がないか等)の調査をする権限のみを
有しています。
◎会社法第38条1項
発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、設立時取締役を
選任しなければならない。
設立時取締役は、会社が成立したあとは、取締役となります。
◆創立総会の招集および決議
募集設立をする場合においては、発起人は、設立時発行株式の払込期日、
または払込期間の末日のうち最も遅い日以後において、遅滞なく、
創立総会を招集しなければなりません。
◎創立総会の普通決議の要件
◇誰が行使できるか
議決権を行使することができる設立時の株主
◇決議要件
その株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時株主の
議決権の2/3以上にあたる多数
◎関連記事
・株主会社とは・・
・株式会社の設立の方法とは・・
(記事作成日、平成29年4月6日)