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株式会社:株式会社の設立の方法とは・・


◆設立とは・・

 株式会社の設立とは、株式会社という一つの営利社団法人が、
 実体を形成するとともに、法人格を取得するまでの手続をいいます。

 設立には、実体の形成と法人格の取得手続という二つの段階があります。

 ◎株式会社の設立手続の概要

  ◇実体の形成

   ①発起人による定款の作成
     ↓
   ②株主となるべき者の募集および確定
     ↓
   ③発起人や設立時募集株式の引受人による出資の履行
     ↓
   ④株式会社の機関の具備
     ↓
   ⑤設立経過の調査
     ↓
  ◇法人格の取得:株式会社の本店所在地で設立の登記


◆設立の方法

 株式会社を設立する方法は二つあります。

 ①発起設立と、②募集設立になります。

 ◎発起設立(会社法25条1項1号)
  発起人が、設立の際に発行する株式の全部を引き受けて
  会社を設立する方法

 ◎募集設立(会社法25条1項2号)
  発起人が会社の設立に際して発行する株式の一部を引き受けて、
  残部については株主となる者を募集して会社を設立する方法

 発起設立は、人的関係のある少数の発起人だけで、会社を設立する方法で
 あるのに対し、募集設立は、発起人のほかに、人的関係のない多数の出資者を
 加えて会社を設立する方法になります。


◆株式会社設立の具体的な流れ

 株式会社の設立の流れは、以下のようになります。

 ◎発起人を決める
  株式会社の設立手続きを行うのは、主に発起人なので、まずは、
  発起人を決めなくてはなりません。
  (詳細→「発起人を決める」

 ◎会社の名前と設立目的を決める
  会社の名前のことを商号と呼びます。
  設立の目的を決めるということは、どのような業務を行うのかを
  決めるということになります。
  (詳細→「会社の名前と設立目的を決める」

 ◎印鑑
  設立登記の際には、会社印が必要になるので、会社印を作成します。
  なお、定款を作成する際には、発起人の個人の印鑑が必要になります。

 ◎定款を作成し、認証を受ける
  定款とは、会社内部の基本ルール、すなわち、株式会社の組織と活動に
  関する根本規則になります。
  (詳細→「定款を作成し、認証を受ける」

 ◎株主の確定

  ◇設立時発行株式に関する事項の決定

   まず、設立時に発行する株式について必要書類を決定します。
   ただし、定款作成という設立手続の初期からすべてを決定しておくのは
   困難です。
   したがって、設立時発行株式に関する事項を定款に記載または記録
   しなかった場合には、発起人全員の同意によって定めるものとしました。

  ◇株式の引受け

   株式会社の設立に際して出資者となることを、株式の引受けと言います。
   新株発行の際に出資するときも同じです。
   募集に応じて申込みがあると、その者に割当てがなされます。
   割当てによって、引受けが確定します。
   引受人が最終的に払込みをすると、会社設立時に株主になります。


 ◎出資金を払込取扱機関に払い込む
  定款を作成し、認証を受けた後には、出資金を払込取扱機関に
  払い込む必要があります。
  (詳細→「出資金を払込取扱機関に払い込む」

 ◎機関を形成する
  出資金を払込取扱機関に払い込んだあと、発起人は、設立時取締役を
  選任しなければなりません。
  (詳細→「機関を形成する」

 ◎登記申請
  最後に、本店所在地において、設立登記をすることで、
  株式会社が設立し、設立手続きは終了します。

  ◇株式会社のおもな登記事項
   ①目的
   ②商号
   ③本店および支店の所在場所
   ④資本金の額
   ⑤発行可能株式総数
   ⑥発行する株式の内容
   ⑦発行済株式の総数、種類および種類ごとの数
   ⑧取締役の氏名
   ⑨代表取締役の氏名および住所


◆設立の瑕疵

 ◎設立無効

  会社の設立の無効は、設立無効の訴えをもってのみ、主張することが
  できます。

  ◇設立無効の訴え

   株式会社の設立無効の原因となる事由は、明文の規定が存在しませんが、
   設立手続に重大な瑕疵があることと解釈されています。

   ◇設立無効の原因
    ①定款の絶対的記載事項の定めに重大な瑕疵がある場合
    ②設立に際して出資される財産の最低額の出資がない場合
    ③設立の登記が無効である場合
    ④創立総会が開催されなかった場合
    ⑤公証人による定款の認証がない場合

  ◇設立無効の提訴権者

   訴えを提起できる者は、設立する株式会社の株主、取締役、清算人、
   執行役、監査役に限定されています。

  ◇提訴期間

   設立無効の訴えは、会社設立の日から2年以内に提訴しなければ
   なりません。

  ◇判決の効力

   設立を無効とする判決が確定すると、将来に向かってその行為の効力が
   失われます。

   また、その判決は当事者のみならず、第三者に対してもその効力を
   有するとされています。


 ◎会社の不成立

  会社の不成立とは、会社の設立が途中で挫折して、設立登記が行われない
  まま終わることをいいます。

  この場合に、会社は法律上も事実上も存在するに至っていません。

  その点で、設立無効の場合とは異なります。

  ◇発起人の責任

   会社の不成立の場合において、発起人は、株式会社の設立に関して
   なした行為について連帯して責任を負い、株式会社の設立に関して
   支出した費用を負担します。

 ◎設立に関する責任

  ◇出資された財産等の価額が不足する場合の責任

   現物出資や財産引受けの給付がなされたものの、それらの目的となった
   財産の、会社設立時の価額が、定款に記載または記録された価額よりも
   著しく不足するときは、発起人および設立時取締役は連帯して
   不足額を支払う義務を負います。

  ◇発起人等の損害賠償責任

   発起人、設立時取締役、設立時監査役は、株式会社の設立について
   その任務を怠ったときは、当該株式会社に対して、生じた損害を賠償する
   責任を負います。

   発起人、設立時取締役、設立時監査役はその職務を行うについて
   悪意または重大な過失があったときは、これによって第三者に生じた
   損害を賠償する責任を負います。

  ◇責任の免除

   出資された財産等の価額が不足する場合の発起人等の責任および
   発起人等の損害賠償責任は、総株主の同意がなければ、
   免除することがえきません。

  ◇疑似発起人の責任

   疑似発起人は、会社設立に関し、発起人と同様の責任を負います。









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(記事作成日、平成29年3月30日)



 

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