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◆住民と選挙権・被選挙権
地方公共団体における選挙権はその住民のみが有するが、被選挙権は住民で
ない者が有することがある。
◎住民自治の実現
地方自治の実施については、その地方に住む住民の意思を反映させなければ
なりません(住民自治)。
ここでいう住民とは、その区域内に住所を有する者をいいます。日本国籍を
有しない者も含まれます。また、住所とは、各人の生活の本拠である場所の
ことです。市町村とは、別に法律の定めるところにより(住民基本台帳法
など)、その住民につき、住民たる地位に関する正確な記録を常に整備して
おかなければなりません。
◎選挙権および被選挙権
◇選挙権
選挙権とは、選挙人となるための資格のことです。日本国民である満18歳
以上の者で、引き続き3ヶ月以上市長村の区域内に住所を有する者は、別に
法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の議会の議員
および長の選挙権を有します。
◇被選挙権
被選挙権とは、公職の選挙において候補者となり、当選人となりうる資格
のことです。被選挙権については、立候補の対象によりその要件が異なり
ます。都道府県知事と市長村長については、住所要件がなく、他県や
他市町村からの立候補が可能です。
◆直接請求
住民が直接請求できるのは、条例の制定・改廃、事務の監査、議会の解散、
議員・長・役員の解職である。
◎直接請求とは
地方政治は地域住民の利害に直接かかわるものが多いため、住民による
直接請求が認められています。
直接請求とは、住民が一定の事項について、議員等を通じてではなく、
そのまま直接地方公共団体の機関に請求することです。
直接請求には6種類あります。大きく、有権者の50分の1以上の連署を
もって請求することができるものと、3分の1以上の連署をもって請求する
ことができるものに分けられます。
◇直接請求の分類
◇有権者の1/50以上の連署
◇条例の制定または改廃請求→請求先:地方公共団体の長
◇事務の監査請求→請求先:監査委員
◇有権者の1/3以上の連署
◇議会の解散請求→請求先:選挙管理委員会
◇議員の解職請求→請求先:選挙管理委員会
◇長の解職請求→請求先:選挙管理委員会
◇役員の解職請求→請求先:地方公共団体の長
◎直接請求制度の種類
◇条例の制定または改廃の請求
請求の対象は条例ですが、例外として地方税の賦課徴収ならびに分担金、
使用料、手数料の徴収に関する条例については請求できません。
普通地方公共団体の長は、請求を受理した日から20日以内に、議会を
召集し、意見をつけてこれを議会に付議し、その結果を代表者に通知する
とともに公表しなければなりません。
当該地方公共団体の区域で衆議院議員、参議院議員または地方公共団体の
議会の議員もしくは長の選挙が行われることとなるときは、政令で定める
期間、当該選挙が行われる区域内においては、請求のための署名を求める
ことはできません。
◇事務の監査請求
監査請求の対象は、事務の適否一般に及び広く認められます。
監査委員は監査請求を受理した場合は、請求に係る事務の執行について
監査し、その当否を合議で決定して、その結果を住民の代表者に通知し
かつ公表します。
それとともに、議会および長ならびに関係のある教育委員会、選挙管理
委員会等の関係機関に報告書を提出しなければなりません。
◇選挙の解散請求
選挙管理委員会は、選挙が法定要件を満たしている場合は、解散の適否に
ついて選挙人の投票に付します。投票で過半数の同意があった場合は、
議会は解散されます。
なお、当該議会の議員の一般選挙のあった日から1年間および解散投票の
あった日から1年間は、解散請求はできません。
◇議員の解職請求
選挙管理委員会は、選挙が法定要件を満たしている場合は、解職の適否に
ついて選挙人の投票に付します。投票で過半数の同意があった場合は、
議員は解職されます。
なお、議員の就職の日から1年間および解職投票のあった日から1年間は
解職できません。ただし、公職選挙法100条6項による無投票当選者に
ついては、就職の日から1年以内でも請求することができます。
◇長の解職請求
選挙管理委員会は、請求が法定要件を満たしている場合は、解職の適否に
ついて選挙人の投票に付します。投票で過半数の同意があった場合は、
長は解職されます。
長の就職の日から1年間および解職投票のあった日から1年間は、解職
請求できません。ただし、公職選挙法100条6項による無投票当選者に
ついては、就職の日から1年以内でも請求することができます。
◇役員の解職請求
解職請求の対象となる役員は、次のとおりです。
◇副知事、副市長村長、総合区長
就職の日から1年間および解職に係る議会の議決の日から1年間
◇選挙管理委員、監査委員、公安委員会の委員
就職の日から6ヵ月間および解職に係る議会の議決の日から6ヶ月
地方公共団体の長は、役員の解職請求があったときは、議会に付議し、
その結果を代表者および関係者に通知するとともに公表しなければなり
ません。
役員は、当該普通地方公共団体の議会の議員の3分の2以上の者が出席し、
その4分の3以上の者の同意があったときは、その職を失います。
◆住民監査請求と住民訴訟
住民監査請求の対象となるのは、違法または不当な財務会計上の行為や怠る
事実である。
◎住民監査請求
◇住民監査請求とは
地域監査請求とは、地域住民に、その所属する普通地方公共団体の違法
また不当な財務会計上の行為や怠る事実について、監査委員に対して、
監査、当該行為の防止または是正等の必要な措置を講ずるべきことを
請求することができる権利です。地方財政の健全性を図る観点から認めら
れます。
◇請求期間の制限
住民監査請求は、違法または不当な財務会計上の行為のあった日から原則
として1年を経過したときは、することができません。ただし、正当な
理由がある場合は、1年を経過した後も請求することができます。
◇監査および勧告
監査請求があった場合に、監査委員は合議によって監査を行い、請求に
理由がないと認めるときは、理由を付してその旨を書面にて請求人に通知
するとともに、これを公表しなければなりません。請求に理由があると
認められるときは、当該普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関
または職員に対し期間を示して必要な措置を講ずるべきことを勧告します。
この勧告とともに、当該勧告の内容を請求人に通知し、かつこれを公表し
なければなりません。
監査および勧告は、監査請求があった日から60日以内に行わなければ
なりません。
◎住民訴訟
住民が住民監査請求をしたとしても、監査委員が監査・勧告を行わなかったり、
あるいは監査委員が勧告をしたにもかかわらず、議会、長、その他の執行機関
が勧告に従わなかったりしたときは、住民の監査請求の実効性が損なわれま
す。
そこで、地方自治法は、このような場合に、監査請求をした住民が、裁判所に
訴状を提起して、監査委員に対して適切な監査の実施を促したり、議会、長
その他の執行機関に対し違法な財務会計上の行為を是正するように請求したり
する権利を認めました。これが住民訴訟です。
◇住民訴訟
①訴えを提起できる者
当該地方公共団体の住民であれば、一人でも提起できる。自然人か法人
かを問わず、選挙権や納税の有無も要件ではない
②監査請求前置主義
住民訴訟を提起する前に、監査請求をしなければならない。監査請求の
結果について不満がある場合にはじめて住民訴訟の提起ができる
③住民訴訟の対象
財務会計上の違法な行為(不当な行為は含まない)であり、かつ、公共
団体の財政に損害を与える行為
④請求ができる内容
a、当該行為の全部または一部の差止めの請求
b、取消しまたは無効確認の請求
c、怠る事実の違法確認の請求
d、相手方に損害賠償、不当利得返還の請求をすることを求める請求
⑤提訴の期間
a、監査の結果または勧告に不服のある場合は、監査の結果または勧告
の内容の通知があった日から30日以内
b、監査委員の勧告を受けた機関または職運の措置に不服がある場合は、
その措置の通知があった日から30日以内
c、監査委員が請求の日から60日を経過しても監査または勧告を行わ
ない場合は、60日を経過した日から30日以内
d、監査委員の勧告を受けた機関または職員が措置を講じない場合は、
当該勧告に示された期間を経過した日から30日以内
住民訴訟は、普通地方公共団体の住民が、自己の法律上の利益とかかわり
なく、もっぱら当該普通地方公共団体の財務会計上の行為の適正化を図る
目的で、当該普通地方公共団体の機関の法律に適合しない行為の是正を
求めて提起する訴えです。つまり、住民訴訟は、行政事件訴訟5条の「民衆
訴訟」の一種です。
◆住民投票
住民投票は、地方自治特別法を制定する際のほか、住民投票条例に基づいて
行われることがある。
◎地方自治特別法の住民投票
憲法95条は「一つの地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定める
ところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を
得なければ、国会は、これを制定することができない」と定めています。
その趣旨は、国が法律制定を通じて、地方自治を侵害することを防止すること
にあります。
この規定に基づき、地方自治法では、住民投票の手続を定めています。
◎住民投票条例
住民投票は、地方自治特別法について行われるものだけではありません。
地方公共団体の重要な課題について住民投票に関する条例を個別に制定した
り、あるいは、地方公共団体の重大問題に対して恒常的に住民投票を行える
よう条例を制定して、これらの条例に基づいて住民投票を実施し政策決定を
するものもあります。このように、住民投票に関して定めた条例を住民投票
条例といいます。
◇地方自治特別法の住民投票の手続
①国会の議決
一の普通地方公共団体のみに適用される地方自治特別法の国会による
議決
↓
②衆議院議員または参議院議長からの通知
最後に議決した議員の議長が、当該法律を添えてその旨を内閣総理大臣
に通知する
↓
③総務大臣へ通知
内閣総理大臣はただちに当該法律を添えてその旨を総務大臣に通知する
↓
④総務大臣から関係普通地方公共団体の長に通知
a、総務大臣はその通知を受けた日から5日以内に関係普通地方公共
団体の長にその旨を通知する
b、当該法律その他関係書類を移送する
↓
⑤長は、賛否の投票を行わせる
関係普通地方公共団体の長は、総務大臣からの通知があった日から31
日以後60日以内に選挙管理委員会をして当該法律について賛否の投票
を行わしめる
↓
⑥長から総務大臣への結果報告
投票の結果が判明したとき、関係普通地方公共団体の長はその日から
5日以内に関係書類を添えてその結果を総務大臣に報告する
↓
⑦総務大臣から内閣総理大臣への結果報告
総務大臣はただちにその旨を内閣総理大臣に報告しなければならない
↓
⑧公布手続
投票の結果が確定した旨の報告があったときは、内閣総理大臣はただち
に当該法律の公布の手続をとるとともに、衆議院議長および参議院議長
に通知しなければならない
住民の権利としては、選挙権及び被選挙権と直接請求があります。
選挙権は、選挙人となるための資格のことになります。
満18歳以上の日本国民で、引き続き3ヶ月以上市町村の区域内に
住所がある人は、その属する地方公共団体の議会の議員や長の選挙権を
持ちます。
2015年6月、公職選挙法等の一部を改正する法律が成立し、
公布されました。
これにより、年齢満18年以上満20年未満の者が選挙に参加することが
できることとされました。
被選挙権とは、公職の選挙において候補者となり、当選人となりうる
資格のことになります。
立候補する職種によって、被選挙権が与えられるための要件が異なります。
直接請求とは、住民が一定の事項について、議員等を通じてではなく、
直接地方公共団体の担当機関に対して請求することができるものを
言います。
直接請求の種類としては、以下の6種類があります。
◆条例の制定、改廃請求
◆事務の監査請求
◆議会の解散請求
◆議員の解散請求
◆長の解職請求
◆役員の解職請求
国では、国民が議会の解散や内閣総理大臣の解任を要求する直接参政制度が
認められていません。
国の直接参政的な制度としては、わずかに憲法改正の国民投票、
最高裁判所の裁判官の国民審査、地方自治特別法に対する住民投票のみに
なります。
これに対し、地方自治では、直接参政制度が多く認められているのが、
特徴になります。
◎関連記事
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・地方自治とは・・
(記事作成日、平成29年4月10日)