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◆裁判所の構成
わが国の裁判所は、最高裁判所を頂点として、その下に下級裁判所
(高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所)が設けられています。
◆三審制
わが国は、正しい裁判を実現するために、3つの審級の裁判所を設け、
原則として3回まで反復審理を受けられるという制度を採用しています。
これを三審制と言います。
第一審の裁判所の判決に不服のある当事者は、第二審の裁判所に不服申立てを
することができ、第二審の裁判所の判決にも不服のある当事者は、
さらに第三審の裁判所に不服申立てをすることができます。
控訴と上告をあわせて上訴と言います。
なお、裁判所の決定、命令に対する上訴の場合には、第二審への不服申立てを
不服申立てを抗告、第三審への不服申立てを再抗告と言います。
◆裁判所の独立性
個々の裁判所は、それぞれ独立して裁判権を行使し、たとえ下級審の
裁判所であっても上級審の裁判所の指揮監督を受けません。
下級審の裁判所の裁判に不服のある当事者から上訴があったときは、
上級審の裁判所は、下級審の裁判所の裁判の合否を審査する権限を有し、
当該事件に関する限り、上級審の裁判所の判断が下級審の裁判所の判断より
優先し、下級審の裁判所を拘束します。
◆紛争解決手続き
私たちが私人間で契約を結んだ場合は、契約に従って、その内容を実現する
よう行動することが義務づけられます。
このような力を、契約の拘束力と言います。
ところが、契約の相手方が契約上の義務を果たさない場合に、
その相手方としては、どのように行動することができるでしょうか。
もちろん、悪いのは債務を実行しない債務者です。
しかし、だからといって、債務者に履行を要求できる債権者が、
自分の手で権利を実現できるとすると、法治国家でなくなります。
そこで、そのように当事者間に紛争が発生した場合の解決手続が法定されて
います。
これを紛争解決手続と言います。
◎紛争解決手続の種類
債務者が任意に債務の履行をしないような場合には、強制的に、あるいは
当事者間の話し合いなど、何らかの手段により債権者を満足させる必要が
生じます。
具体的な紛争解決手続として、次に示すような手続があります。
また、これに付随して、債務者の財産を処分する等、強制的に債権者を
満足させる手続もあります。
保全手続や強制執行手続などになります。
◇各種の紛争解決手続
・民事訴訟手続
・裁判外の和解
・即決和解
・裁判外紛争解決手続
・調停
・仲裁
・支払催促
◎裁判外紛争解決手続(ADR)
裁判外紛争解決手続(ADR)とは、訴訟手続によらない紛争解決手続の
ことになります。
◇裁判外紛争解決手続の長所
◇専門的知識が要求される分野で専門家の関与が比較的容易であること。
◇解決に至るまでの時間が短く、手続が簡単で費用が安いこと
◇代理人が必ずしも弁護士に限られないため、他の専門資格者等が
活躍できること
◇裁判外紛争解決手続の短所
必ずしも弁護士が代理人にならないということの裏返しで、
それぞれの専門家が、公平性の高い紛争の解決に向けた研鑽を続け、
ノウハウを蓄積していく必要があります。
つまり、解決の信用性ないし妥当性をより高める必要があると言えます。
◇解決方法
各紛争解決機関によって違いはありますが、おおむね①助言、
②あっせん、③調停、④仲裁があります。
◇民事訴訟手続との違い
民事訴訟手続との大きな違いは、手続を利用するにあたって、
相手方の同意が原則として必要な点です。
◇ADR基本法
わが国でも、裁判によらない紛争の解決がふさわしい事案について
受け皿となるよう、「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」
(ADR基本法)が制定、成功されています。
◇認証
法務大臣の認証を受けた紛争解決事業者が、紛争の当事者双方と、
紛争解決に関する契約を締結し、その契約に基づき事業者が
紛争の解決にあたるという仕組みとなっています。
法務大臣の認証という形をとることで、先にあげた短所を解消し、
紛争解決機関の適正さを確保する趣旨になります。
◆各種の紛争解決手続
◎民事訴訟
民事訴訟は、紛争当事者双方の主張および証明に基づき裁判官が最終的な
法的判断を示す制度になります。
民事訴訟の主体は、当事者と裁判所です。
当事者のうち、自己の名をもって訴えを提訴する者、つまり訴える者を原告、
原告から相手方と名指しされた者、つまり訴えられた者を被告と言います。
◇民事訴訟の長所
当事者間の紛争が、法律の適用により適切に解決できる性質のもので
あれば、民事訴訟により、法的に明確な決着をつけられます。
すなわち、訴訟手続が判決により終了すれば、当事者の一方あるいは
双方に不満があっても紛争は一応解決されます。
また、一方の当事者が正当な理由なく出頭しないと不利に取り扱われる
ので、一度訴訟が提起されると、当事者の出欠にかかわらず、
紛争は解決されます。
◇民事訴訟の短所
民事訴訟では、裁判所が、両当事者の主張を聞き、証拠調べを行うため、
他の手続に比べ、時間がかかります。
また、裁判開始から終了までの長時間、複雑で高度に専門化した手続を
遂行するため、法律専門家(弁護士等)にその遂行を依頼する必要性が
高く、そのための費用も要します。
◎裁判外の和解
◇裁判外の和解とは
和解とは、紛争が生じたときに、当事者が話し合い、互いの主張を
譲り合って、紛争をやめる旨の合意のことになります。
この和解を、裁判手続とは無関係に当事者あるいは代理人が交渉し、
行うことを裁判外の和解と言います。
◇注意点
和解をする際には、合意の内容を一方が履行しないときの措置を
定めておく必要があります。
和解に関する紛争につき合意管轄の定めもしておくと、
その後訴訟となった場合に、時間と費用を余計にかけずに済みます。
◎即決和解
即決和解とは、当事者が簡易裁判所に申し立て、期日に両当事者
あるいは、その代理人が簡易裁判所に出頭し、和解調書を作成するものです。
起訴前の和解とも言います。
◇即決和解の長所
◇即決和解が成立し、和解調書に記載されると、確定判決と同一の効力が
生じ、和解調書は債務名義となります。
→一方当事者が約束を履行しないときは、訴訟を提起さずに強制執行を
することが可能
◇和解証書に基づく強制執行は、裁判外の和解につき公正証書を作成した
場合と異なり、金銭や代替性のある物の引渡しに限らず、
不動産の明渡しなどの強制執行も可能
◎調停
調停とは、紛争解決のため、第三者である調停委員が仲介して、
当事者の互譲を促し、条理にかない実情に即した解決を図ることを
目的とする制度のことになります。
調停は、原則として相手方の住所、営業所または事務所の所在地を管轄する
簡易裁判所に申し立てます。
ただし、当事者間にあらかじめ合意がある場合、その合意で定める
地方裁判所または簡易裁判所が完結裁判所となります。
◇調停手続の長所
両当事者の言い分を調停委員が間に入って聞き、調整しながら、
解決策を探っていきます。
そこで解決策を見いだすことができれば調停が成立します。
調停が成立すると、調停調書が作成されます。
調停調書も和解調書と同じく債務名義となりますから、
一方が調停条項を履行しないときは、
ただちに強制執行をすることが可能となります。
◇調停手続の短所
協議を重ねても当事者が合意しなければ、調停は不成立とならざるを
得ません。
調停委員には、両当事者と強制してまで、解決策を押しつける権限は
与えられていないからです。
また、当事者が呼出しを受けても、出頭しない場合には、
調停においては、当事者を強制的に話し合いの席につかせることは
できないので、この場合も調停は不調となります。
◎仲裁
仲裁とは、仲裁人という第三者によって判断された事項に確定判決と
同一の効力が与えられる制度のことです。
◇仲裁手続の長所
当事者が仲裁による解決に委ね、その判断に服することに合意すると、
第三者である仲裁人が紛争に対して仲裁判断を下します。
この仲裁判断に、紛争当事者は拘束されます。
仲裁は、紛争解決基準が示され、これに対する不服申立ても
許されない制度ですから、紛争の簡易で迅速な解決には適している
制度といえます。
◇仲裁手続の短所
仲裁には十分な証拠調べの保障や不服申立ての制度がありません。
したがって、仲裁人に適切な人が得られずに、仲裁判断に対して
当事者に不満が残る場合には、紛争がこじれて、収拾がつかなくなる
おそれがあります。
◎支払督促
支払督促とは、金銭の支払請求権等について簡易裁判所書記官に申し立て、
裁判所書記官から債務者に向けて発せられる督促のことを言います。
◇支払督促の長所
◇相手方の呼出しや審尋をすることなく発することができ、
また、請求に関する証明も必要としないため、低費用で、
かつ簡易迅速に手続を進めることが可能
◇相手方が争わなければ、そのまま確定して債務名義となるため、
強制執行が可能となります。
◇支払督促の短所
支払督促は、相手方が異議を申し述べると民事訴訟に移行することから、
次に掲げるような短所があります。
◇結果的に、最初から民事訴訟を申し立てたときより時間も費用も
かかってしまう場合がある。
◇支払督促の管轄裁判所は、相手方の住所地を管轄する簡易裁判所であり、
遠方に住む債務者の場合は、民事訴訟に移行すると、裁判の期日ごとに
相手方住所地の管轄裁判所に出頭しなければならず、
さらに時間と労力を消費する結果となりかねない。
◆日本司法支援センター(法テラス)
法テラスは、2004年に公布、施行された総合法律支援法に基づき、
独立行政法人の枠組みに従って設立された法人です。
その目的は、総合法律支援に関する事業を迅速かつ適切に行うことです。
◎法テラスの業務運営の方針
法テラスは、総合法律支援の実施および体制の整備に関し、
民事、刑事を問わず、広く全国にわたって、法による紛争の解決に必要な
情報やサービスの提供が受けられる社会の実現を目指して、
その業務の迅速、適切かつ効果的な運営を図るものとされています。
◎法テラスの行う主要な業務
①情報提供業務
②民事法律扶助業務
③国選弁護等関連業務
④司法過疎対策業務
⑤犯罪被害者支援業務
⑥受託業務
◆関連記事
・法律の成立、公布、施行とは・・
・法律と命令、規則、条例の関係
・法律の構成
(記事作成日、平成29年4月19日)