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◆取締役
取締役が会社に負う義務等には、善管注意義務、忠実義務、競業避止義務、
利益相反取引の制限がある。
◎取締役とは
◇取締役とは
取締役とは、取締役会設置会社でない会社では、会社の業務を執行し、
会社を代表する必要的機関のことです。
取締役会設置会社では、取締役は全員で取締役会を構成しますが、会社の
業務を執行し、会社を代表するのは、代表取締役となります。
◇取締役の資格
次の表に示す者は、取締役となることができません。
◇取締役の欠格事由
①法人
②成年被後見人または被保佐人
③一定の法律により刑に処せられ、その執行を終わり、またはその執行
を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
◇取締役の資格を株主に限定することの禁止
公開会社では、取締役が株主でなければならない旨を定款で定めることが
できません。非公開会社であれば、定款の定めにより、取締役の資格を
株主に限定することはできます。
◇取締役の員数
取締役会設置会社でない会社にあっては、取締役は、一人以上置けばよい
とされます。しかし、取締役会設置会社にあっては、三人以上でなければ
なりません。
◎取締役の選任および終任
◇選任手続
取締役は株主総会の決議によって選任されます。その決議は普通決議ですが、
定款の定めをもってしても、その定足数を、議決権を行使することができる
株主の議決権の3分の1未満とすることはできません。
◇累積投票制度
累積投票とは、株主はその有する株式一株(単元株制度を採用している場合
は一単元の株式)につき、株主総会において選任する取締役の数と同数の
議決権を有することとし、その議決権を、一人の候補者に投票しても、
複数の候補者に分散して投票してもよいとする制度です。株主総会の目的で
ある事項が二人以上の取締役の選任である場合に、株主は、定款に別段の
定めがあるときを除いて、会社に対して累積投票によることを請求すること
ができます。
◇取締役の任期
取締役の任期は、原則として2年です。ただし、定款または株主総会の
決議により、任期を短縮することができます。
また、非公開会社(監査等委員会設置会社および指名委員会等設置会社を
除く)にあっては、定款の定めにより、選任後10年以内に終了する
事業年度のうち最終のものに関する提示株主総会の終結の時まで伸長する
ことができます。
◇終任
取締役は、次に示す事由によってその任務を終えます。
◇取締役の終任事由
①委任契約の終了原因の発生
…取締役の死亡、破産手続開始、後見開始
②任期満了
③辞任
④欠格事由の発生
⑤解任決議
取締役はいつでも株主総会の決議によって解任することができる
<決議要件>
◇原則:普通決議(選任と同じ)
◇例外:累積投票で選任された取締役の解任は特別決議
⑥解任の訴え
取締役の職務執行に関し不正の行為または法令または定款に違反する
重大な事実があったにもかかわらず、解任の決議が株主総会で否決
された等の場合に、一定の株主は、訴えをもって当該取締役の解任
請求をすることができる。
⑦会社の解散
◎会社の業務の執行
◇取締役会設置会社でない会社における取締役
取締役会設置会社でない会社における取締役は、定款に別段の定めがある
場合を除き、原則として会社の業務を執行します。
取締役が2名以上ある場合には、会社の業務は、定款に別段の定めがある
場合を除き、取締役の過半数をもって決定します。また、一定の重要事項
については、その決定を各取締役に委任することができません。
会社としての意思統一を図る必要があるためです。
◇各取締役に委任できない事項
◇支配人の選任および解任
◇支店の設置、移転および廃止
◇株主総会の招集の決定に掲げる事項
◇内部統制システムの整備
◇定款の定めに基づく、役員等の会社に対する損害賠償責任の取締役の
過半数の同意による免除
◇取締役会設置会社における取締役
取締役会を構成するとともに、取締役会を通じ、会社の業務執行の意思
決定および取締役相互の業務の監督を行います。つまり、個々の取締役は、
取締役会の構成員という地位に置かれます。
◎会社の代表
◇取締役会設置会社でない会社における代表
原則として、取締役が株式会社を代表します。取締役が二人以上ある場合
であっても、取締役は各自が会社を代表します。ただし、ほかに代表取締役
その他会社を代表する者を定め、その者に会社を代表させることもできます。
◇取締役会設置会社における代表
指名委員会等設置会社を除く取締役会設置会社では、取締役会が、取締役の
なかから代表取締役を選定しなければなりません。
◎取締役と会社の関係
◇善管注意義務および忠実義務
会社と取締役との関係は、委任に関する規定に従います。つまり、信頼
関係を基礎とした委任契約から生ずる関係です。この結果、取締役は委任
契約上の受任者として、善管注意義務をもって事務処理にあたることを
義務づけられます。
この善管注意義務を明確化し、具体化したものとして、忠実義務が
あります。
◇取締役の競業避止義務
◇競業避止義務とは
取締役が自己または第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引
をしようとする場合は、株主総会(取締役会設置会社においては
取締役会)において、事前に当該取引について重要な事実を開示し、
その承認を受けなければなりません。
◇競業取引後の報告義務
取締役会設置会社にあっては、競業取引を行った取締役は、当該取引後
遅滞なく、取引についての重要な事実を取締役会に報告しなければ
なりません。
◇競業避止義務違反の効果
取締役が競業避止義務に違反したとしても、取引の効力には影響しませ
ん。ただし、会社は取締役の義務違反を理由として、損害賠償請求を
することができます。
◇取締役の利益相反取引の制限
◇利益相反取引とは
利益相反取引には、直接取引と間接取引があります。
◇直接取引
取締役が、自己または第三者のために、会社との間で行う取引
◇間接取引
会社と第三者間の取引のうち、会社と当該取締役との間で利益が相反
する取引
代表例:会社が取締役の債務を保証すること
取締役は、利益相反取引をしようとするときは、株主総会(取締役会
設置会社においては取締役会)において、事前に当該取引について重要
な事実を開示し、その承認を受けなければなりません。
これらの取引を自由に行えるとすると、会社の犠牲の下で取締役が自己
または第三者の利益を図るおそれがあるからです。
◇利益相反取引後の報告義務
取締役会設置会社にあっては、利益相反取引を行った取締役は、当該取引
後遅滞なく、取引についての重要な事実を取締役会に報告しなければなり
ません。
◇取締役の報酬
取締役の報酬、賞与その他職務執行の対価として会社から受ける財産上の
利益(報酬等)について、一定の事項は定款または株主総会の決議で定め
なければなりません。
◆取締役会
取締役会の決議事項のうち一定の重要なものについては、取締役に委任する
ことはできない。
◎取締役会とは
取締役会とは、取締役の全員によって構成され、その会議における決議に
よって、会社の業務執行に関する意思を決定し、また、取締役の職務の執行
を監督する機関をいいます。
◎取締役会の権限
◇取締役会の職務
次のような職務を行います。
①取締役会設置会社の業務執行の決定
②取締役の職務の執行の監督
③代表取締役の選定および解職
◇取締役への委任の可否
取締役会は、業務執行の決定を取締役へ委任することができますが、
次の表に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定については、取締役へ
委任することができません。合議体としての取締役会で決定するほうが、
取締役一人に任せるより、より慎重な意思決定ができるからです。
◇取締役に委任することができない重要な決議事項
①重要な財産の処分および譲受け
②多額の借財
③支配人その他の重要な使用人の選定および解任
④支店その他の重要な組織の設置、変更および廃止
⑤募集社債の総額その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な
事項として法務省令で定める事項
⑥内部統制システムの整備
⑦定款の定めに基づく、役員等の会社に対する損害賠償責任の取締役会
決議による免除
◎取締役会の招集
◇招集権者
取締役会は、各取締役が招集します。ただし、取締役会を召集する取締役
を、定款または取締役会で定めたときは、その取締役が招集します。
◇招集手続
取締役会を招集する者は、取締役会の日の1週間前(定款で短縮可能)
までに、各取締役(監査役設置会社にあっては各取締役および各監査役)
に対して、その通知を発しなければなりません。
ただし、取締役(監査役設置会社にあっては取締役および監査役)の全員
の同意があるときは、召集の手続を経ることなく、取締役会を開催する
ことができます。
◎議事および決議
◇取締役会の議事と議事録
取締役会の議事については、法務省令の定めに従い、議事録を作成しなけ
ればなりません。議事録が書面をもって作成されている場合は、出席した
取締役および監査役は、これ署名または記名押印しなければなりません。
監査役設置会社、監査等委員会設置会社または指名委員会等設置会社の
株主は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、
取締役会議事録等の閲覧・謄写の請求をすることができます。これに対し、
監査役、監査等委員会および指名委員会等が設置されていない会社の株主
は、その権利を行使するため必要があるときは、株式会社の営業時間内は、
いつでも、取締役会議事録等の閲覧・謄写の請求をすることができます。
◇決議
取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数(定款で
加重可能)が出席し、その過半数(定款で加重可能)をもって行うのが
原則です。
ただし、これには①書面決議と②特別取締役による決議という例外が
あります。
◇書面決議
取締役会設置会社は、取締役が取締役会の決議の目的である事項に
ついて提案をした場合において、当該提案につき、議決に加わることの
できる取締役の全員が書面または電磁的記録により同意の意思表示を
したとき(監査役設置会社にあっては、監査役が当該提案について異議
を述べたときを除く)は、当該提案を可決する旨の取締役会の決議が
あったものとみなす旨を定款で定めることができます。
◇特別取締役による決議
指名委員会等設置会社を除く取締役会設置会社が一定の要件を充たす
場合に、取締役会は、あらかじめ選定した三人以上の取締役(特別
取締役)のうち、議決に加わることができるものの過半数が出席し、
その過半数をもって一定の事項に関する取締役会決議を行うことが
できる旨を定めることができます。
◇特別取締役による決議
◇特別取締役を選定できる会社の要件
①指名委員会等設置会社を除く取締役会設置会社であること
②取締役の員数が六人以上で、かつ、取締役のうち一人以上が
社外取締役であること
◇決議できる事項
①重要な財産の処分および譲受け
②多額の借財
◇要件
三人以上の特別取締役のうち、議決に加わることができるものの
過半数が出席し(定足数)、その過半数(決議要件)をもって
決議を行う
◆代表取締役
代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上または裁判外の行為を
する権限を有する。
◎代表取締役とは
◇代表取締役の意味
代表取締役とは、株式会社を代表する取締役であり、かつ、会社の業務
執行を行う機関のことです。
◇代表取締役の権限
代表取締役は、業務執行機関であり、取締役または取締役会の決定に
基づき、株式会社の業務を執行します。
また、株式会社の業務に関する一切の裁判上または裁判外の行為をする
権限を有します。仮にこの権限に制限を加えたとしても、これをもって
善意の第三者に対抗することはできません。
◎代表取締役の選任および終任
◇代表取締役の選任
◇取締役会設置会社でない会社の場合
取締役会設置会社でない会社において、原則として、取締役が株式会社
を代表する権限を有します。取締役が二人以上ある場合であっても、
各自が株式会社を代表します。
ただし、取締役のほかに代表取締役その他株式会社を愛表する者を定め
た場合は、その者が株式会社を代表することになります。代表取締役は、
定款、定款の定めに基づく取締役の互選または株主総会の決議によって、
取締役のなかから選定することができます。
◇取締役会設置会社の場合
指名委員会等設置会社を除く取締役会設置会社においては、取締役会は、
取締役のなかから代表取締役を選定しなければなりません。
◇代表取締役の終任
代表取締役は、次の表に示す事由によってその任務を終えます。
◇代表取締役の終任事由
◇取締役である資格の喪失(任期満了、辞任、総会決議での解任など)
◇定款等で定められた代表取締役の任期の満了
◇代表取締役の辞任
◇取締役会決議による代表取締役の解職
◎表見代表取締役
◇表見代表取締役とは
株式会社が、代表取締役以外の取締役に、社長、副社長その他株式会社を
代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該
取締役がした行為について善意の第三者に対してその責任を負います。
◇責任を負わせる要件
次の要件が備われば、会社が善意の第三者に責任を負います。
◇表見代表取締役の成立要件
◇外観の存在
代表権を有すると認められる名称の使用があること
(たとえば、社長、副社長、頭取、総裁、理事長など)
◇外観の付与
会社が名称の使用を明示的ないし黙示的に認めた場合に限られる
→無断使用の場合は成立しない
◇外観への信頼
相手方は、善意無重過失であることを要する
◎関連記事
・株主会社とは・・
・株式会社の設立の方法とは・・
(記事作成日、平成29年5月30日)