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船員保険の保険給付は、基本的には健康保険と同内容、労災保険の上乗せ給付として行われる。船員保険独自の給付内容としては以下のものがある。
◆療養の給付
健康保険における給付に加え、「自宅以外の場所における療養に必要な宿泊及び食事の支給」が行われる。
◆傷病手当金
懸鼓保険における「連続3日間の待機期間」要件が船員保険には設けられていない。したがって、労務に服することができなくなった初日から給付が行われる。また、健康保険では最長「1年6か月」となっている支給期間は「3年」となっている。
>>船員保険の傷病手当金の詳細
◆出産手当金
健康保険における「出産の日以前42日(多胎妊娠の場合は98日)」」要件は、船員保険では「出産の日以前において船員法第87条の規定により職務に服されなかった期間」となる。船員法第87条は妊娠中の女子の使用を原則禁じているので、実際には妊娠が判明した初日から給付が行われる。
◆行方不明手当金
被保険者が職務上の事由により1ヶ月以上行方不明になったとき、その被扶養者に対して、行方不明になった当時の本人の標準報酬日額相当を、行方不明になった日の翌日から3ヶ月間支給される。ただし行方不明期間中に報酬が支払われる場合においては、その報酬の額の限度において行方不明金を支給しない。
◆休業手当金
労災保険における休業(補償)給付では支給されない最初の3日間についても標準報酬日額の全額が支給される。4日目以降も所定の計算による額が休業(補償)給付に上乗せされる。
◆障害年金、一時金、障害手当金、遺族年金、一時金
労災保険における各給付に加え、所定の計算による額が上乗せされる。
◆下船後の療養補償
乗船中に発生した職務外の傷病について、下船日から3か月目の末日まで、自己負担なしで療養を受けることができる。医療機関に船舶所有者の証明を受けた療養補償証明書を提出することにより行う。