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◆国民の代表機関
◎憲法43条1項
「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」
全国民の「代表」とは、「国民は代表機関を通じて行動し、代表機関は国民の
意思を反映するものとみなされる」という意味です。
これを「政治的意味の代表」と言います。
法的な意味での代表ではありません。
したがって、国会議員は、仮に選挙民の意思に従わない政治行動をしたと
しても、法的責任を問われません。
このような性質を「自由委任」とよんでいます。
これに対して、自由委任を前提としつつ、選挙により表明される国民の
多元的な意思が国会にできるだけ忠実に反映されるべきだとする
「社会学的代表」の考え方もあります。
国会は、衆議院議員総選挙や参議院議員通常選挙など、選挙で国民に
選ばれた議員で組織される国民の代表機関になります。
国会は、国民の意思を政治に反映し(民意の反映)、国会を審議したり
討論したりすることで国民の意思を統合して、国としての意思を決定する
重要な役割を持っています。
◆国権の最高機関
◎憲法第41条
「国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。」
「国権の最高機関」とは、いわば政治的な宣言であると考えられています。
つまり、国会は、主権者である国民によって直接選任されるという意味で
国民に直結し、憲法上、立法権をはじめ重要な機能を与えられた、
国政の中心的地位を占める機関であることを政治的に強調しているという
ことです。したがって、国会は、他の機関に対して、優越的な地位に
あったり、特別な機能を有したりするわけではありません。
◆唯一の立法機関
◎立法とは
立法とは何を意味するかについて、
①形式的に「法律」という法規範を定めることという考え方
(形式的意味の立法説)と、
②名称にかかわらず、ある実質的な内容をもつ法規範を定めることと
いう考え方(実質的意味の立法説)があります。
立法は、国民の代表である国会のみが行える行為ですから、
重要なのは、法律という名前ではなく、法規範の内容であり、
実質的意味の法律説が通説となっています。
そして、実質的意味の法律とは、一般的・抽象的な法規範を指すと
されています。
◎唯一とは
「唯一」の立法機関であるとは、①国会中心立法の原則と、
②国会単独立法の原則の二つを意味しています。
◇国会中心立法の原則
◇意義
国の行う立法は、憲法に特別の定めがある場合を除いて、
国会を通じてなされなくてはならないという原則のこと
◇例外
①議院規則制定権
衆議院と参議院がそれぞれ別個に制定する
(国会で一つの意思決定をして制定しているわけではない)
→各議院の自律権を理由に、憲法上、例外とされる
②最高裁判所の規則制定権
③内閣が制定する政令などの委任命令
個別的な法律による具体的な委任(法律の委任)があれば、
国会中心立法の原則に反せず、例外として認められる
→包括的、白紙的な委任は認められない
④地方公共団体の条例制定権
◇国会単独立法の原則
◇意義
国会による立法は、国会以外の機関の参与を必要としないで成立する
という原則のこと
◇例外
①内閣の法案提出権
法律は、法律の提出→審議→表決という過程を経て成立するが、
最初の段階に内閣が関与することが、憲法上認められる
→次の二つの理由から認められる
◇行政の専門家および技術化に対応するには、内閣に法案提出権を
認めたほうがよいこと
◇立法過程で最も重要な審議および表決については国会が行うこと
②地方自治特別法制定のための住民投票
一つの地方自治団体にのみ適用される法律を制定するには、
その地方の住民の投票が必要
→地方自治特別法が適用される地方住民の意思を尊重するため、
憲法上、例外とされる
◆国会の組織
◎二院制
◇憲法第42条
「国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。」
代表民主制にとっては、国民の意思を代表する機関は一つでも本来は
足りるはずです。
それでもなお、第二院が設けられる理由は次に掲げるとおりです。
◇議会の専制防止
二院の間に抑制均衡の関係をもたせ、議会の多数派の暴走を未然に
防止する。
◇下院と政府との衝突の緩和
衆議院と政府が対立したとき、参議院が間に入る
◇下院の軽率な行動、過誤の回避
参議院が、衆議院の暴走に歯止めをかけたり、衆議院の誤りを
指摘したりする
◇民意の忠実な反映
選挙区や任期が異なるように定め、多様な民意の反映を可能とする
◎衆議院の優越
憲法は、多くの重要な問題の処理について、衆議院の優越を認めています。
その理由として、①議員の任期や解散制度等からみて、衆議院のほうが
民意をより忠実に反映しており、民主政治の徹底を図れること、
②二院対等の場合と比較して、国会と内閣との関係が単純化され、
安定した政治を実現することがあげられます。
◇憲法上の優越
◇権限自体が衆議院のみに認められるもの
◇内閣不信任決議
◇予算先議権
◇権限は参議院にも認められるが、衆議院の決議が優先するもの
→両院協議会
◇法律案の議決
◇予算の議決
◇条約の承認
◇内閣総理大臣の氏名
◇法律上の優越
国会の臨時会および特別会の会期の決定、国会の会期の延長
◎選挙
◇選挙区
選挙区とは、選挙人団を区分するための基準となる区域をいいます。
その種類は、大選挙区と小選挙区とに分かれます。
◇大選挙区→二人以上の議員を選出する選挙区のこと
◇小選挙区→一人の議員を選出する選挙区のこと
◇代表の方法
代表の方法は3種類に分けれます。
◇多数代表制
選挙区の投票者の多数派から議員を選出させようとする代表方法
◇少数代表制
選挙区の投票者の少数派からも議員を選出することができる代表方式
◇比例代表制
多数派、少数派の各派に対して、得票数に比例した議院の選出を
保障する代表方法
◇政党
日本の実際の政治は「政党政治」といわれるくらい、政党の存在は
なくてはならないものです。
政党は、国民が国家の意思形成の過程に関与するための「媒介」を
なすもので、議員制民主主義を支える重要な役割を果たしています。
政党は、憲法上、明文で規定されてはいませんが、「結社」に含まれ、
保障を受けると解されています。
◆国会の活動
◎会期
◇憲法52条
「国会の常会は、毎年1回これを招集する」
◇憲法53条
「内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。
いづれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、
その召集を決定しなければならない。」
◇憲法54条1項
「衆議院が解散されたときは、解散の日から40日以内に、
衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から30日以内に、
国会を召集しなければならない。」
会期とは、国会が憲法上の機能を行使する一定の期間のことです。
つまり、国会は一年中活動しているわけではなく、一定の期間に限り
活動することとされているのです。
◇会期の種類
◇常会→毎年1回、定期に召集される
◇臨時会→臨時の必要に応じて召集される
◇特別会→衆議院が解散され、総選挙が行われた後に召集される
◇会期不継続の原則
国会は会期ごとに活動します。これを会期独立の原則といいます。
したがって、国会の会期中に議決されなかった案件は、
後会に継続しません。
これを会期不継続の原則といいます。
◎参議院の緊急集会
◇憲法54条2項、3項
「2、衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。
但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を
求めることができる。
3、前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであって、
次の国会開会の後10日以内に、衆議院の同意がない場合には、
この効力を失ふ。」
衆議院が解散されると、参議院も同時に閉会となり、会期が終了することに
なります。そして、衆議院の総選挙が施行され、特別会が召集される
までの間、衆議院は存在しないことになりますから、国会を召集することは
できません。そこで、この間に国に緊急の必要があるときに、
参議院を召集し、国会の代行をさせる制度を参議院の緊急集会といいます。
緊急集会は、あくまで緊急の必要があるときに、臨時に召集されるもの
ですから、召集することができるのは内閣のみです。
◎会議の原則
◇定足数
◇憲法56条1項
「両議院は、各々その総議員の3分の1以上の出席がなければ、
議事を開き議決することができない。」
定足数とは、合議体が活動するために必要な最小限の出席者の数を
いいます。
◇表決数
◇憲法56条2項
「両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、
出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、
議長の決するところによる。」
「この憲法に特別の定のある場合」とは、次に掲げる場合です。
◇憲法の定める表決数の例外
◇出席議員の2/3で決すべき場合
◇議員の資格喪失の裁判
議員の資格に関する争訟の裁判において、議員の議席を
失わせる場合
◇秘密会の開催
原則として公開しなければならない両議院の会議を秘密会と
する場合
◇議員の除名
院内の秩序を乱した議員に対する懲罰として、
議員を除名する場合
◇法律案の再議決
衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案につき、
衆議院で再び可決しようとする場合
◇総議員の2/3以上で決すべき場合
◇憲法改正の発議
憲法の改正案を決定し、国民の承認を求める場合
◆国会議員の地位
国会議員は、①歳費受領権、②不逮捕特権、③免責特権を有します。
◎歳費受領権
◇憲法49条
「両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を
受ける。」
議院は、歳費を受ける権利を有しますが、裁判官とは異なり、
減額の禁止までは保障されていません。
したがって、歳費は、法律の定めにより減額することができます。
◎不逮捕特権
◇憲法50条
「両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕
されずに、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、
会期中これを釈放しなければならない。」
国会議院には不逮捕特権が認められます。これは行政権による逮捕権の
乱用を防ぎ、議院の活動の自由を確保する趣旨です。
この趣旨から、院外での現行犯の場合や、院の承諾がある場合には、
逮捕権の濫用は考えられないので、「法律の定める」例外として、
会期中でも逮捕が許容されます。
◎免責特権
◇憲法51条
「両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、
院外で責任を問はれない。」
免責特権は、議員での自由な活動を保障するためのものです。
したがって、その対象となるのは、議院の活動として議員が職務上行った
行為であり、職務活動に付随する行為を含みます。
免責されるのは、民事責任、刑事責任、懲戒責任などの「院外での」
法的な責任です。したがって、院内の懲罰責任は免責されません。
◆国会の機能
国会は、法律の制定権、条約締結の承認権、内閣総理大臣の指名権等を
有します。
◎法律の制定権
◇憲法59条
「1、法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で
可決したとき法律となる。
2、衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした法律案は、
衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは、
法律となる。
3、前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、
両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。
4、参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取った後、国会休会中の
期間を除いて60日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院が
その法律案を否認したものとみなすことができる。」
国会は、前述のとおり、国の唯一の立法機関です。また、法律案の議決に
ついては、衆議院の優越が認められます。
◎財政監督権
◇憲法60条
「1、予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。
2、予算について、参議院で衆議院と異なった議決をした場合に、
法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が
一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算を
受け取った後、国会休会中の期間を除いて30日以内に、
議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。」
財政に関する国会の監督権は、国会が保持する機能のなかでも法律の
議決権とならび、重要な機能です。
◎条約締結の承認権
◇憲法61条
「条約の締結に必要な国会の承認については、前条(60条)第2項の
規定を準用する。」
現在の複雑な国際政治情勢の下で、さまざまな利益を比較衡量しつつ、
迅速かつ円滑に条約を成立させるには、条約締結権を内閣に専属させる
ことが適切です。ただし、内閣の条約締結には、国会の承認が必要と
されています。その趣旨は、行政権を行う外交に民主的コントロールを
及ぼすことにあります。
◎弾劾裁判所の設置権
◇憲法64条1項
「国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議院で
組織する弾劾裁判所を設ける。」
弾劾裁判所は、裁判官の職務上の義務の著しい違反や職務の甚だしい怠慢
および裁判官の威信を著しく失う非行について、罷免の訴追を受けた
裁判官を裁判する裁判所です。
◎内閣総理大臣の指名権
◇憲法67条1項
「内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。
この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。」
内閣総理大臣の指名権は、衆議院の内閣不信任決議権とともに議員内閣制の
基礎となるものです。
◆議院の機能
両議院は、各々自律権を有し、国政調査権を有する。
◎議員自律権
衆議院、参議院がそれぞれ独立にできるとされることがあります。
つまり、議員自律権とは、各議院が、他の議員を含む国家機能などから
監督や干渉を受けないで、その組織や運営などに関して、自主的に決定
でいる機能のことです。
◇組織に関する自律権
◇会期前に逮捕された議員の釈放要求権
国会の会期前に逮捕された議員について、法律の定めがある場合を除き、
会期中の釈放を要求することができる。
◇議員の資格訴訟の裁判権
議員の資格に関する訴訟について、裁判することができる。
◇役員選任権
議長その他の役員を選任することができる。
◇運営に関する自律権
◇憲法58条2項
「両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を
定め、又、議院を除名するには、出席議員の3分の2以上の多数による
議決を必要とする。」
議院は、その自律性から、自らの組織の運営に関するルールを自ら決める
ことが認められています。
また、そのルールを破るなど、院内の秩序を乱した者に対して、
各議院が懲罰を与えることが認められています。
◎国政調査権
◇憲法62条
「両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、証人の出頭及び
証言並びに記録の提出を要求することができる。」
国政調査権とは、各議院がそれぞれ、立法、行政および司法の国の政治全般
に対して、調査する機能をいいます。
国政調査権の法的性質については、補助的権能説が通説とされています。
これは、国政調査権は、議員が立法その他の機能を行使するための手段
として認められた補助的な機能だと考えるものです。つまり、議員は、
その機能を有効・適切に行使するための資料収集等を目的としてのみ、
調査を行うことができることになります。なお、このように解すると、
国政調査権の及ぶ範囲が狭くなりそうですが、国会の機能は純粋に私的な
事項を除いて国政全般にわたるので、不都合はありません。
◇調査権の範囲と限界
国政調査権は議員の補助的権能と考えられますから、調査の目的は立法、
予算審議、行政監督など議院の憲法上の権能を行使するためのもので
なければなりません。また、調査対象と方法にも、権力分立と人権の
原理から、制約があります。
◇司法権に対する調査
裁判所は少数者の人権を保護するという重大な職責(自由主義)を
担っています。そこで、司法権の独立を侵害しない限度でしか、
国政調査権を行使することはできません。
◇検察権に対する調査
検察事務は行政権の作用ですから、原則として国政調査権の対象と
なります。しかし、起訴または不起訴に関する検察権の行使に
政治的圧力を加えることが目的の調査や、起訴事件に直接関係する
事項や公訴追行の内容を対象とする調査、捜査の続行に重大な影響を
与えるような調査などは許されません。
◇一般行政権に対する調査
国政調査権の目的は行政に対する監督にあるといえますから、
行政権については、行政処分の取消しや停止とならない限り、
行政全般にわたって調査することができます。
◇内閣不信任決議権
内閣不信任決議権は、内閣を信任しない旨の決議を行う機能で、
衆議院のみに認められています。議員内閣制の基礎となる機能です。
◆国会の機能
国会は、唯一の立法機関で、法律の制定や改廃を決めます。
さらに、国会には、条約の承認権があります。
他の国との間に結ぶ条約は、大きく国民の利害にかかわるので、
国民の代表機関である国会が、承認の可否を判断します。
国会は、予算の議決権や、財政に関する議決や監督の権限も
持っています。
国家歳入の基本は税金です。歳出とは、税金の使い途のことですが、
国家の財政状態は国民の生活に大きく影響するので、
国会を通じて民主的にコントロールすることが必要になります。
◆二院制とは・・
国会は、衆議院と参議院の二院からなっています。
両議院は、全国民を代表する選挙で当選した議員で構成されます。
国民の代表機関としての性格を有する形になります。
両院制の意義としては、二度の審議を行うことで、
下院の決定に過誤があった際に改めることが期待されています。
司法における三審制と同様、人間が過ちを犯しうることから、
慎重に手続きを進めることを意図しているものになります。
選挙方法および選挙時期を下院と異なるものにすることが
望まれています。
また、多角的な民意の反映という意義もあります。
双方、異なった方法で選出されて構成される議員が存在することによって、
様々な角度からの意見が反映されていくことで、
より深い議論が出来るというものになります。
下院のみでは代表されない国民の意思を国政に反映させ、
国民の意思を問う回数を増やすという意義もあります。
◆他の二権との関係
他の二権との関係では、まず、内閣に対しては、
国会に内閣総理大臣の指名権があり、衆議院には内閣不信任決議権があります。
また、院の機能である国政調査権を行使して、内閣の行う行政事項に関して
調査監視します。
裁判所に対しては、裁判官弾劾裁判所を設置して、非行のあった裁判官を
弾劾することができます。
裁判官弾劾裁判所自体は、国会から独立した機関になります。
裁判官は、国会が作った法律に拘束されます。
◎関連記事
・憲法とは・・
・統治機関とは・・
(記事作成日、平成29年3月8日)