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◆憲法の特色
憲法の特色は、①自由の基礎法であり、②制限規範であり、③最高法規である
ことである。
◎憲法とは何か
憲法も一般の法律も、同じように「法」というルールです。つまり、憲法は
法規範として存在しており、単なる道徳ではない点で、他の一般の法律と
共通しています。
しかし、憲法は、一般の法律と根本的な部分に違いがあります。すなわち、
一般の法律は、国民を対象として、国民の権利を制限する方向ではたらきま
す。刑法を例に説明すれば、罪を犯した者は、裁判などの手続を経て、罰金
や懲役などの刑罰を科されます。このように、まさに刑法は、権利と自由を
制限するものだといえます。
これに対し、憲法は、国家権力を対象として、国家権力のはたらき方に規制
をかけようとするものです。つまり、時の権力者が、自分たちに都合のよい
政治をするために、政治に参加する国民の権利を勝手に奪ったり、国民が集
会を開いて政治の仕方を批判する権利を奪ったりすることのないようにする
のです。
つまり、憲法とは、国家権力を制限して、国民の人権を保障する、国家の
根本的なルールである、ということができます。
◎憲法の歴史
憲法がこのような意味をもつようになるまでには、実は人類の長い権利
(人権)獲得の歴史があります。
今日的な意味の憲法を「立憲的意味の憲法」といいます(「近代憲法」とも
よばれます)。逆にいえば、このような立憲主義的な思想を反映していない
国家のルールは、今日の憲法学の立場からは憲法と認められないということ
になります。
◎日本国憲法の特色
このように、憲法は一定の価値観をもってつくられています。日本国憲法も、
立憲的意味の憲法であり、次に掲げる特色を有しています。
◇日本国憲法の特色
◇自由の基礎法
憲法は基本的人権の保障を中核とした法であり、人権規定がその中核と
なっている
◇制限規範
憲法は基本的人権の保障を実現するために、国家権力を制限する規範と
して存在する
◇最高法規
基本的人権の保障と中核に据えた憲法が、他のあらゆる国内法規と比べ、
最上位に存在する
◆憲法の基本原理
憲法の基本原理は、①国民主権、②基本的人権の尊重、③平和主義である。
◎国民主権
◇国民主権とは
国民主権とは、国民こそが国家の主人公であるという考え方をいいます。
かつての君主制に対する概念です。
主権は、多義的な概念ですが、次の三つを意味します。
◇主権の概念
◇国家の統治権(国家権力そのもの)
意味は、国家の内部に対する支配権を包括的に示す。
具体例は、「日本国の主権は、本州、北海道、九州および四国ならびに
吾等の決定する諸小島に局限せらるべし」(ポツダム宣言8項)や、
憲法41条の「国権」は統治権を示すと考えられているなどです。
◇国家権力の最高独立性
意味は、国家が対外的に独立性を有することを示す。
具体例は、「自国の主権を維持し」(憲法前文3項)などです。
◇国政についての最高決定権
意味は、国の政治のあり方を決定する力ないしは権威を示す。
具体例は、「ここに主権が国民に存することを宣言し」(憲法前文1
項)、「主権の存する日本国民」(1条)、「国民主権」という場合
の主権などがあります。
◇国民主権と憲法前文
◇憲法前文1項
「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、
われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国
全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び
戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民
に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の
厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は
国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは
人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基づくものである。
われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。」
国民主権という場合の主権は、前記の主権概念の三番目である「国政につい
ての最高決定権」、つまり、国の政治のあり方を最終的に決定する力ないし
は権威を意味します。この意味の主権が国民にあることを国民主権というの
です。
日本国憲法の前文1項は、「ここに主権が国民に存することを宣言し」とし
て、国民に国政についての最高決定権があることを表しています。
◎基本的人権の尊重
◇憲法11条
「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障
する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の
国民に与へられる。」
◇基本的人権とは
基本的人権とは、人が人であることにより、生まれながらに当然に有して
いる基本的な権利をいいます。単に、人権とよばれることもあります。
◇基本的人権の有する性質
◇人権の固有性
人権は、憲法や天皇からいわば恩恵として与えらえれたものでなく、
人間であることにより当然に有するものとされる権利である
◇人権の不可侵性
人権は、原則として公権力によって侵されない権利である
◇人権の普遍性
人権は、人種、身分、性などの区別に関係なく、人間であるというだけ
で当然にすべて享有できる権利である
◇人間の尊厳性と基本的人権
◇憲法13条
「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する
国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の
上で、最大の尊重を必要とする。」
日本国憲法が保障している基本的人権は、人間が自律的な一個人として、
自由と生存とを確保し、これによって尊厳性を維持するため、必要な権利が
当然に人間に固有の権利として存在することを前提として認めるものです。
つまり、「基本的人権」は「人間として固有の尊厳に由来するもの」です。
このような人間の尊厳の原理は「個人の尊厳の原理」ともいわれ、日本国
憲法は「個人の尊重」を宣言しています。
◎平和主義
◇憲法前文2項
「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想
を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、
われらの安全と生存を保持しようと決意した。われたは、平和を維持し、
専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会
において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、
ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを
確認する。」
◇憲法9条
「1、日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の
発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決
する手段としては、永久にこれを放棄する。
2、前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。
国の交戦権は、これを認めない。」
戦争を回避し、廃絶する取組みは、国際的にもさまざまに行われてきました。
しかし、それらはいずれも他国への侵略戦争を制限し、または放棄する内容に
とどまっていました。日本国憲法は、これらの動きをいっそう進め、戦争否定
の態度を徹底しています。
憲法も一般の法律も、同じように「法」というルールになります。
つまり、憲法は法規範として存在しており、単なる道徳でない点で、
他の一般の法律と共通しております。
しかし、憲法は、一般の法律と根本的な部分に違いがあります。
すなわち、一般の法律は、国民を対象として、国民の権利を制限する方向で
はたらきます。
刑法を例にすれば、罪を犯した者は、裁判などの手続を経て、
罰金や懲役などの刑罰が科されます。
このように、まさに刑法は、権利と自由を制限するものだといえます。
これに対し、憲法は、国家権力を対象として、国家権力のはたらき方に
規制をかけようとするものになります。
つまり、時の権力者が、自分たちに都合のよい政治をするために、
政治に参加する国民の権利を勝手に奪ったり、国民が集会を開いて
政治の仕方を批判する権利を奪ったりすることのないようにするのです。
憲法は、国家の組織や権限、統治の根本規範となる基本原理・原則を
定めた法規範を言います。
憲法とは、国家権力を制限して人権を保障するものになります。
憲法を元に法律が作られる形になります。
◆国家権力を制限する基礎法
私たち一人ひとりの自由を保障するためには、自由を脅かすものを
なくさなければなりません。
それでは、個人の自由を侵害するものには、何があるでしょうか。
その主たるものは、中世であれば国王、現代であれば大統領や総理大臣などの、
その時々の国家権力になります。これは歴史を見れば明らかです。
そのために憲法は、自由を侵害する可能性のある国家権力を制限しています。
つまり、憲法は、国民の自由を保障する法であるのと同時に、
国家権力を制限する法になります。
これを制限規範と呼びます。
◆憲法の歴史
憲法がこのような意味をもつようになるまでには、
実は人類の長い権利獲得の歴史があります。
今日的な意味の憲法を「立憲的意味の憲法」と言います。
逆に言えば、このような立憲主義的な思想を反映していない国家のルールは、
今日の憲法学の立場からは憲法と認められないということになります。
◆日本国憲法の特色
このように、憲法は一定の価値観をもってつくられています。
日本国憲法も、立憲的意味の憲法であり、次に掲げる特色を有しています。
◎日本国憲法の特色
◇自由の基礎法
憲法は基本的人権の保障を中核とした法であり、
人権規定がその中核となっています。
◇制限規範
憲法は基本的人権の保障を実現するために、
国家権力を制限する規範として存在する
◇最高法規
基本的人権の保障を中核に据えた憲法が、
他のあらゆる国内法規と比べ、最上位に存在します。
◆一番強い法
憲法は、日本の法の中で、一番強い効力を持っています。
形式的な意味と、実質的な意味の2つの点から強い効力を持ちます。
まず、形式的に一番強いことを表しているのは、憲法改正の手続きに
なります。
憲法を改正するためには、通常の法律改正よりも難しい手続きが必要に
なります。
実質的な意味は、憲法の中で、「人間の権利と自由は絶対に侵しては
ならない」と保障している内容そのものになります。
この2つの関係は、実質的な最高規範性が形式的最高規範性の基礎となって、
憲法が一番強い法であることを、真に支えているという関係になります。
◆日本国憲法とは・・
日本国憲法は、昭和22年に施行されたものになります。
日本国憲法の基本理念は、以下の3つになります。
◎国民主権
主権とは、国の意思を決定する権利のことを言います。
国民主権とは、国の意思を国民が決定できることを言います。
(詳細:「国民主権とは・・」)
◎基本的人権の尊重
基本的人権とは、人が生まれながらにして持っている権利のことです。
基本的人権の尊重は、上記の権利を最大限に尊重し、
侵すことのできない永久の権利として日本国憲法に規定されています。
(詳細:「基本的人権の尊重とは・・」)
◎平和主義
憲法に、戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認を定めていることです。
(詳細:「平和主義とは・・」)
◆日本国憲法の構造
日本国憲法の本文は、大きく分けて、人権規定、統治規定、憲法保障の3つに
分けることができます。
◎人権規定
人権規定には、国民の権利などを定めて規定が書かれています。
(詳細:「基本的人権の尊重とは・・」)
◎統治規定
統治規定には、国会、内閣、裁判所という国家機関について
書かれています。
(詳細:「統治規定とは・・」)
◎憲法保障
憲法保障には、憲法秩序の存続や安定を保つことが書かれています。
◆国民の義務
◎国民の三大義務
◇教育
すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に
普通教育を受けさせる義務を負う。
◇勤労
すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負う。
◇納税
国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う。
◆憲法が縛るもの・・
民法等は、国民が守るべき法になります。
これに対して、憲法は、立法権や行政権や司法権といった国家権力に対して、
「これを守りなさい」と命令するもので、国家権力が守るべき法になります。
憲法99条には、大臣や国会議員や裁判官に対して、「憲法を尊重しなさい」
という義務が定められています。
ここで注意したいのは、この条文が私たち国民に対しては、
この義務を課していないことです。
ですから、憲法99条は、国民にではなく、国家権力の担い手に、
「憲法を尊重し擁護しなさい」と命令しているのです。
◆憲法保障とは・・
憲法とは、その国の最高法規となります。
しかし、ときとして、その最高法規性が脅かされる事態も生じます。
憲法には、、大きな概念や基本原理が書かれているにすぎないので、
具体的な法律などで、憲法に反するものが出てくる可能性があるという
ことになります。
そこで、このような憲法に反する政治の動きを事前に防止したり、
事後に是正する装置を、あらかじめ憲法秩序の中に設けておく必要が
あります。
これを憲法保障制度と言います。
日本国憲法が定めている保障制度としては、最高法規性の宣言、
公務員の憲法尊重擁護義務、権力分立、硬性憲法、事後的救済としての
違憲審査制があります。
◆憲法改正とは・・
憲法には、強くてしっかり安定していることが求めらえる一方で、
その時代の政治や社会の動きに適応して変化することも必要です。
安定性と可変性という矛盾する要請に応えるために考案されたのが、
憲法の改正手続を定めつつ、その改正要件を厳格にするという、
いわゆる硬性憲法の技術になります。
日本国憲法は、改正手続を定める一方で、その要件を通常の法律の
改正手続よりも厳格にしており、硬性憲法を採用しています。
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・六法とは・・
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(記事作成日、平成29年3月3日)