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財政とは、国や地方公共団体が、租税により資金を調達し、公共のために
支出する経済活動のことをいいます。
国家が使用する費用は、国民が負担するもので、財政を適切に運営する
ことは、国民の重大な関心事です。
そこで、日本国憲法では、財政に関する決まりを置いて、
国民の代表機関である国会にコントロールさせる財政民主主義を
採用しています。
また、税金を新たに賦課したり、変更する場合などは、
法律や条例に基づくことが必要です。
これを租税法律主義といい、歳入面から財政民主主義を定めたものに
なります。
国の財政には、一般会計と特別会計とがあります。
このうち、予算単一主義の原則に基づく一般会計が狭義の財政です。
これに対して、特別会計は、予算単一主義の例外にあたるもので、
経過的なものを含め、国には前夫で13の特別会計があります。
すべての特別会計それぞれに歳出と歳入があり、一般会計と同様に国会で
審議されます。
一方、地方公共団体の財政は、一般会計と特別会計、公営企業会計に
分けられます。
一般会計と特別会計は、国と同様の考え方に基づき設置され、公営企業会計は、
水道や鉄道などの企業性を有する業務について設置されます。
◆財政の機能
財政には、資源配分機能、所得再分配機能、経済安定化機能の3つの機能が
あります。
◎資源配分機能
市場では最適配分が行われない公共財や公共サービスを提供する機能のこと。
◎所得再分配機能
所得分配の不平等を是正する機能のこと。
具体的には、累進課税制度で高額所得者に効率の税負担を課す一方、
低所得者への生活保護や雇用保険などの社会保障給付を行うことにより、
所得格差の是正が行われる。
◎経済安定機能
財政支出を伸縮させることによって、経済の安定化をもたらす機能のこと。
ビルトインスタビライザー(景気の自動安定化装置)、フィスカルポリシー
(裁量的財政政策)などがこの機能を果たす。
◆財政政策
財政政策として、フィスカルポリシーとビルトインスタビライザーが
あります。
◎ビルトインスタビライザー(景気の自動安定化装置)
ビルトインスタビライザー(景気の自動安定化装置)とは、累進課税制度と
社会保障制度を採用して、自動的に景気変動を調整する仕組みのことを
言います。
具体的には、不況のときは、累進課税のため税収は下がる一方、
生活保護費などの給付が増えるため、マネーサプライ(通貨供給量)は
増加し、景気が刺激されます。
好況のときは、これとは逆の動きをします。
◎フィスカルポリシー(裁量的財政政策)
フィスカルポリシー(裁量的財政政策)とは、増税・減税、公共投資に
よる財政支出によって、政策的に財政規模を伸縮させることを言います。
具体的には、不況のときは、減税および公共投資による財政支出を拡大して、
景気を刺激します。
好況のときは、これと逆の政策を行います。
◆国の財政
◎会計年度
国の会計年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わります。
また、各会計年度における経費は、その年度の歳入をもって、
これを支弁しなければなりません。
◎予算
財政法16条は、予算の内容として、「予算は、予算総則、歳入歳出予算、
継続費、繰越明許費及び国家債務負担行為とする」と規定しています。
①予算総則
予算総則は、財政運営の基本的事項について、議会が権限を付与する
ために設けられたものです。
予算総則には、予算の総括規定が盛り込まれ、それ以外に、公債や
財務省証券の発行限度額や予算執行に関する必要事項が規定されます。
②歳入歳出予算
歳入歳出予算とは、予算の本体のことを言います。
歳入歳出予算の編成にあたっては、予算編成に関する予算原則を
充足しなければなりません。
そのため、財政法14条には、「歳入歳出は、すべて、これを予算に
編入しなければならない」と規定しています。
財政法23条では、「歳入歳出予算は、その収入又は支出に関係のある
部局等の組織の別に区分」しなければならないと規定しています。
このように、歳入歳出予算は、部局等の組織に区分したうえで、
歳入予算では性質別に「部」「款」「項」、歳出予算では目的別に
「項」という予算科目にそれぞれ分類されます。
③継続費
継続費とは、工事、製造その他の事業で、その完成に数年度を要するもの
について、特に必要がある場合、経費の総額および年割額を定め、
あらかじめ国会の議決を経て、その議決するところに従い、
数年度にわたって支出することができるものを言います。
④繰越明許費
繰越明許費とは、歳出予算の経費のうち、その性質上または予算成立後
の事由に基づき、年度内にその支出を終わらない見込みのあるものに
ついて、あらかじめ、国会の議決を経て、翌年度に繰り越して使用する
ことができるものをいいます。
⑤国庫債務負担行為
国庫債務負担行為とは、法律に基づくものまたは歳出予算の金額もしくは
継続費の総額の範囲内におけるもののほか、国が債務を負担する行為の
ことをいいます。国庫債務負担行為をなすには、あらかじめ予算をもって、
国会の議決を経なければなりません。
◎予算の種類
財政法13条1項は、「国の会計を分つて一般会計及び特別会計とする」と
規定して、一般会計に加えて特別会計という予算の存在を認めています。
また、特別会計に加えて、政府関係機関予算も存在します。
このように、一般会計予算、特別会計予算、政府関係機関予算という三つの
予算のそれぞれが、予算総則、歳入歳出予算、継続費、繰越明許費、
国庫債務負担行為という予算の内容を備えて編成されることになります。
①一般会計予算
一般会計予算とは、政府の一般政務に必要な通常の歳入と歳出に関する
予算をいいます。
②特別会計予算
特別会計予算とは、①国が特定の事業を行う場合、②特定の資金を保有して
その運用を行う場合、③その他特定の歳入をもって特定の歳出に充て、
法律をもって、設置することができる予算のことを言います。
③政府関係機関予算
政府関係機関予算とは、株式会社日本政策金融公庫などの全額政府出資の
企業の予算のことを言います。
◎決算
憲法90条1項は、「国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院が
これを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に
提出しなければならない」と規定して、決算に対する会計検査院の検査を
規定しています。
会計検査院とは、会計検査を任務とする憲法上の機関のことをいいます。
会計検査院は、歳出や歳入の内容について、合法性・正確性・妥当性・
効率性などの見地から検査・確認を行います。
また、内閣は、国会および国民に対し、定期に、少なくとも毎年1回、
国の財政状況について報告しなければなりません。
◎国債
◇意義
国債とは、国が発行する債券のことを言います。国の財政は、本来は、
租税収入や印紙収入などで歳出をまかなうのが原則ですが、歳入が
租税収入や印紙収入などだけでは不足する場合には、国は国債を発行する
ことができます。
◇国債発行の原則
◇建設国債の原則
財政法4条1項は、「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、
その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び
貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、
公債を発行し又は借入金をなすことができる」と規定しています。
このただし書により、例外的に発行することができる国債を建設国債と
いいます。もっとも、人件費や事務的諸経費などの一般財源を確保する
ために、年度ごとの公債特例法によって、通称赤字国債とよばれる
特例国債の発行が認められています。
◇市中消化の原則
財政法5条本文は、「すべて、公債の発行については、日本銀行に
これを引き受けさせ、又、借入金の借入については、日本銀行から
これを借り入れてはならない」と規定して、国際は、原則として、
市中(民間)消化されなければならないとしています。これは、
日本銀行が国債を引き受けると、通貨が大量に発行されてインフレの
危険があるためです。
もっとも、財政法5条ただし書では、「特別の事由がある場合において、
国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りではない」と例外を
規定しています。
◆地方の財政
地方公共団体の財源には、地方税、国庫支出金、地方交付税、地方債等が
あります。
◆財政投融資
財政投融資の手法は、①財政融資、②産業投資、③政府保証に分けることが
できる。
◎財政投融資とは
財政投融資とは、税金や国債とは別に、国の信用に基づいて調達した資金
などを財源にして、国の政策目的実現のために行う政府の金融的手法による
活動(投資・融資)をいいます。
政府の経済活動である財政には、「資源配分」、「所得再分配」、
「経済安定」の三つの機能があるといわれています。財政投融資は、
社会経済的に必要な財やサービスを供給するためや、社会・経済情勢に対応
して機動的かつ弾力的な資金供給を行うために、財政投融資資金の配分を
行うことにより、財政を通じて政府が果たす機能のうち、主として
「資源配分」機能と「経済安定」機能の二つを担っています。
◎財政投融資の内容
財政投融資は、社会資本の整備や中小企業に対する融資などの国の施策に
対して資金供給を行っていますが、その具体的な手法は、①財政融資、
②産業投資、③政府保証に分けることができます。
◇財政融資
国債の一種である財投債の発行により金融市場から調達した資金を、
財政融資資金特別会計を通じて、国の特別会計や地方公共団体、公庫、
公団、事業団など(財投機関と総称される)が行う事業に供給する仕組み。
国の信用に基づいて最も有利な条件で資金調達しているため、長期・固定・
低利での資金供給が可能となる。
◇産業投資
国が保有するNTT、JT株の配当金や、国際協力銀行の国庫納付金などを
原資として産業投資特別会計が行う投資(出資および貸付)。
◇政府保証
特殊法人(公庫、公団、事業団など)が金融市場で発行する債券に対し、
政府が保証をつけることで、事業に必要な資金を円滑かつ有利に調達する
のを助けるもの
このように財政投融資は、有償資金を貸し付ける、または、投資を行うと
いった金融的手法を用いていますので、個々のプロジェクトについて、
収益性などの融資審査が適切に行われ、弾力的な執行が可能になり、
さらには国民の租税負担の上昇を抑えられるといったメリットがあります。
◎財政投融資改革
財政投融資は、公的資金を統合管理するという性格から、一般会計予算に
比べて、社会経済情勢の変化に機動的かつ弾力的な対応をすることが可能
です。そこで、景気対策などにおいて、社会資本整備事業の追加や中小企業
に対する融資枠の拡大に対して、機動的かつ弾力的に資金供給を行ってきま
した。しかし、その後「財政投融資の活用により景気対策などを実施した
結果、政策金融機関が肥大化し、民業を圧迫しているのではないか」などの
指摘がなされたことから、より民間金融市場と調和のとれた仕組みとする
よう、財政投融資制度が抜本的に改革されました。すなわち、郵便貯金や
年金積立金の全額が資金運用部に預託される仕組みから、特殊法人などの
施策に真に必要な資金だけを金融市場から調達する仕組みへと改めました。
財政投融資は、2001年度から、この新しい制度の下で運営されています。
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(記事作成日、平成29年4月5日)