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日本の選挙制度とは・・


選挙は、民意を反映した議員を選出する手段ですが、
その方法や制度には数多くの種類があり、選挙区制度には、
大きく、小選挙区制、大選挙区制、比例代表制に分けられます。

日本の選挙制度を具体的に記載すると、以下のようになります。

◆選挙区制、代表制

 小選挙区制は、1つの選挙区から1人の議員を選出する制度になります。
 二大政党制を促進し、政局を安定させます。
 しかし、死票が多くなり、得票率と議席率の間に大差が出ます。

 比例代表制は、得票数に比例した数の代表を出す制度になります。
 得票率と議席率との一致率が最も高くなります。
 しかし、小党分立となりやすく、政局の不安定を招きます。


◆衆議院議員選挙

 ◎制度

  現在の衆議院議員選挙制度は、小選挙区比例代表並立制を採用して
  います。

  小選挙区比例代表並立制では、小選挙区と比例代表区制を単純に並べて、
  総定員数475を小選挙区定数295と比例代表定数180に分けたうえで、
  小選挙区選挙で有効投票数の最多数を得た者、および
  全国11ブロックで行う比例選挙において、
  各党の投票数をブロック単位で集計し、ドント式で獲得議席数を決定し、
  各党の比例名簿登載者の上位から獲得議席数に達する者までを、
  それぞれ当選者とします。

  比例代表選挙は、拘束名簿式になります。

  現行制度の特徴は、政党候補者に限り、小選挙区と比例代表への
  重複立候補が認められ、小選挙区で落選しても、
  供託物没収点(有効投票数の1/10)以上の得票があれば、
  比例区で当選する道が開かれていることです。

  比例代表選出議員は所属政党を離党し、その選挙の他の名簿届出政党に

  移ると、失職します。参議院議員も同様です。

 ◎問題点

  現行制度の問題点として、次のような点が指摘されています。

  ①重複立候補が認められたため、小選挙区で落選した候補者が
   比例代表で敗者復活することが可能になり、
   落選者が後で当選することに対して有権者が戸惑いを感じること。

  ②政党中心の選挙が指向されて、政党要件が厳格に定められたため、
   政党以外は、小選挙区においては政見放送を行うことができないこと。

  もっとも、①については、2000年の公職選挙法の改正により、
  小選挙区における得票数が供託金没収点に達しなかった重複立候補者の
  比例代表選挙における当選が排除されることになりました。




◆参議院議員選挙

 ◎制度

  現行の参議院議員選挙制度は、各都道府県を単位とする選挙区制度と、
  全都道府県の区域を通じて行われる非拘束名簿式比例代表選挙で
  実施され、総定員数242人を選挙区選挙146、比例代表選挙96に分け、
  3年ごとに定数の半数を改選する方式で行われます。

  衆議院議員の選挙にも比例代表制が並立的に導入されたことに伴い、
  2000年には、公職選挙法の貝瀬により、拘束式から非拘束式とよばれる
  名簿式に変更されています。

  政党は、順位をつけずに候補者名簿を作成し、有権者は、政党名または
  個人名を書いて投票する形になります。

 ◎問題点

  現行制度の問題点としては、非拘束名簿式比例代表制はタレント候補による
  大量得票を狙った制度ではないかなどの指摘があります。



◆公職選挙法

 公職選挙法は、日本国憲法の精神に則り、衆議院議員、参議院議員ならびに
 地方公共団体の議会の議員および長を公選する選挙制度を確立し、
 その選挙が選挙人の自由に表明せる意思によって公明かつ適正に行われる
 ことを確保し、もって民主政治の健全な発達を期することを目的として
 います。

 選挙運動ができるのは、選挙期日の前日までになります。

 ◎選挙権

  日本国民で、年齢満18歳以上の者は、衆議院議員および参議院議員の
  選挙権を有します。

  また、日本国民たる年齢満18歳以上の者で引き続き3ヶ月以上
  市町村の区域内に住所を有する者は、その属する地方公共団体の議会の
  議員および長の選挙権を有します。


 ◎被選挙権

  日本国民は、以下の区分に従って、当該議員または長の被選挙権を
  有します。

  ◇衆議院議員 年齢満25年以上の者
  ◇参議院議員 年齢満30年以上の者
  ◇都道府県の議会の議員 その選挙権を有する者で年齢満25年以上の者
  ◇都道府県知事 年齢満30年以上の者
  ◇市町村の議会の議員 その選挙権を有する者で年齢満25年以上の者
  ◇市町村長 年齢満25年以上の者


 ◎戸別訪問

  何人も、選挙に関し、投票を得たり、もしくは投票を得させたり、
  または得させない目的で戸別訪問をすることができません。

  また、いかなる方法をもってするかを問わず、選挙運動のため、
  戸別に、演説会の開催もしくは演説を行うことについて告知をする行為、
  または特定の候補者の氏名もしくは政党その他の政治団体の名称を
  言い歩く行為は、戸別訪問に該当するものとみなされ禁止されます。


 ◎新聞紙、雑誌の報道および評論等の自由

  選挙運動の制限に関する規定によって、新聞紙または雑誌が、
  選挙に関し、報道および論評を掲載する自由は妨げられません。

  ただし、虚偽の事項を記載し、または事実を歪曲して記載する等
  表現の自由を濫用して選挙の公正を害してはなりません。


 ◎政見放送における品位の保持

  公職の候補者、候補者届出政党、衆議院名簿届出政党等および
  参議院名簿届出政党等は、その責任を自覚し、政見放送をするにあたっては、
  他人もしくは他の政党その他の政治団体の名誉を傷つけ、
  もしくは善良な風俗を害し、または特定の商品の広告その他営業に関する
  宣伝をする等、いやしくも政見放送としての品位を損なう言動を
  してはなりません。


 ◎インターネットを利用する選挙運動

  2013年の公職選挙法の改正により、それまで禁止されていた
  インターネットを利用しての選挙運動が皆勤されました。

  電子メールによって選挙運動用の文書、図画を頒布できるのは、
  候補者、政党等の政治団体だけになります。





 

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(記事作成日、平成29年4月10日)



 

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