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◆行政救済の種類
行政救済制度は、大別して、①行政権による救済制度と、②司法権による救済制度とに分けられる。
◎行政救済の種類
◇国民の権利利益の救済制度
そもそも、行政活動は国民の権利利益を保護し、ひいては社会経済の秩序を維持することを目的に行われているはずです。
しかし、行政活動がすべて国民の権利利益を保護するとは限りません。多くの行政活動は、適用かつ妥当に行われていますが、なかには、違法または不当な行政活動もあるでしょう。
たとえば、飲食店が、その提供した食事が原因でないにもかかわらず、食中毒を引き起こしたとして、営業停止処分を受けることもあり得ます。
のちに他に原因があったことが判明し、その原因をつくり出した者が処分を受けたとしても、先の営業停止処分が適法かつ妥当であったかが問われない限り、同じ過ちが繰り返され、国民が損害をこうむる危険性は消えません。
また、いわれのない処分を受けた国民の人権を救済する必要があります。
このような行政活動の行為によって、国民の生命、身体や財産に損害が生じた場合に、侵された国民の権利利益の救済を図る制度が整備されていなければなりません。
そこで、行政救済の制度が定められているのです。
◇行政救済の種類
現行の行政救済制度は、大別して、①行政権による救済制度と、②司法権による救済制度とに分けられます。①には行政不服審査法が、②には、行政事件訴訟法、国家賠償法、損失補償制度があります。
これらの制度を、救済を行う機関および救済の手法という観点から分類すると、次のとおりとなります。
◇行政救済の法体系
◇行政機関
・行政不服審査法
◇裁判所
・行政事件訴訟法
・国家賠償法
・損失補償制度
◇行政救済の対象
行政救済法の対象となる行政活動は、行政機関による公権力による行使といえる行為(公法上の行為)です。たとえば、行政庁の処分などです。
これに対し、たとえ行政機関によってなされる行為であっても、私法上の行為であれば、行政救済法の対象とはならず、私法上の手続により救済されることとなります。
行政救済法は、行政の活動によって、被害を受けた国民の救済について書かれた法律の集まりになります。
行政活動は、本来、国民の権利や利益を守り、社会の秩序を維持するために行われるはずです。
しかし、行政活動が常に正しく行われるとは限りません。
時には、不当な行政活動によって、国民の身体や財産に損害が及ぶこともあります。
そのような事態に備えて、国民の権利利益の救済を図るシステムとして、行政救済法があります。
行政救済法は、大きく分けると、行政訴訟法と国家補償法の2つに分かれます。
行政訴訟法は、行政活動に不服があり、第三者の視点で争いを解決したい場合は、裁判所に取り消してもらう等の救済措置になります。
行政訴訟法は、行政事件訴訟法と行政不服審査法の2つがあります。
行政事件訴訟法は、行政活動に不服がある場合、裁判所に訴えて判断してもらう制度になります。
(詳細→「行政事件訴訟法とは・・」)
行政不服審査とは、行政活動に不服がある場合、行政機関に訴えて、再度、行政機関に判断してもらう制度になります。
(詳細→「行政不服審査法とは・・」)
国家補償法は、公務員が国民に不利益を与えた場合の金銭的救済になります。
国家補償法は、国家賠償法と損失補償の2つがあります。
国家賠償法とは、違法な行政活動によって生じた国民の損害を、金銭で賠償することによって国民の権利利益の救済を図る制度になります。
(詳細→「国家賠償法とは・・」)
損失補償とは、違法な行政活動による権利の侵害に対して与えられる金銭給付になります。
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・行政組織法とは・・
・行政作用法とは・・
(記事作成日、平成29年3月8日)