小規模法人様、新設法人様の決算処理を代行いたします!!
無料相談実施中!!
お気軽にお問い合わせ下さい!!
053-478-0708
◆遺言
普通方式の遺言には、①自筆証書遺言、②公正証書遺言、③秘密証書遺言がある。
◎遺言とは
◇遺言の意味
遺言とは、一定の方式で示した死後における財産上の権利や義務についての
個人の意思に、死後、その効力を発生させるものをいいます。
個人は、自分が死んだ後の財産をどうするのか、その行方について自分の
意志で事由に決めることができます。これを遺言自由の原則といいます。
その遺言者の最終的な意思を尊重して、一定の事項について、遺言者の死後
の法律関係が遺言で定められたとおりに実現していくことを法律が保障した
のが遺言制度です。
◇遺言の性質
遺言は要式行為であり、民法の定める方式に従わなければすることができま
せん。
遺言は本人の独立した意思に基づいてなされる必要があります。遺言は遺言
者の最終的な意思を尊重しできるだけ実現しようとする制度ですから、他人
の干渉を受けるべきではないのです。したがって、代理による遺言は許され
ません。
また、遺言には制限行為能力制度の適用もありません。制限行為能力者は、
次の要件を備えれば遺言をすることができます。
◇制限行為能力者の遺言
◇未成年者
15歳に達した者は単独で遺言ができる
◇成年被後見人
事理を弁識する能力を一時回復した時において、医師二名以上の立会
いの下で遺言ができる
◇被保佐人、被補助人
保佐人、補助人の同意を得ずに、単独で遺言ができる
また、遺言者は、いつでも遺言の方式に従って、遺言を撤回することができ
ます。そのため、遺言は二人以上の者が同一の証書ですることができません。
なお、遺言は相手方のない単独行為という性質をもちます。したがって、
遺言で他人に財産を処分する遺贈は、贈与者の死亡によって効力が生ずる
契約である死因贈与とは異なります。
◇死因贈与と遺贈
◇死因贈与
法的性質は、契約は受贈者の承諾が必要です。未成年者は単独ではでき
ません。代理は可能です。
◇遺贈
法的性質は、単独行為は受遺者の承諾は不要です。未成年者は、15歳
に達していれば単独でできます。代理は不可です。
◎遺言の方式
遺言は所定の方式に従って意思表示をしなければ効力を生じません。民法は、
遺言者が遺言をする際の状況に応じて、七つの方式を定めています。方式は
大別して、普通方式と特別方式とがあります。普通方式の遺言は、さらに、
①自筆証書遺言、②公正証書遺言および③秘密証書遺言に分かれます。
◇遺言の方式:全体像
◇遺言
◇普通方式
◇自筆証書遺言
◇公正証書遺言
◇秘密証書遺言
◇特別方式
◇緊急時遺言
・死亡の危急に迫った者の遺言
・船舶遭難者の遺言
◇隔絶地遺言
・伝染病隔離者の遺言
・在船者の遺言
◇普通方式:各遺言の比較
◇自筆証書遺言
定義は、遺言者が遺言書の全文、日付、氏名を自書し、これに押印して
作成する遺言。証人は不要です。署名押印は本人のみです。印鑑の指定
はなしです。本人筆記は必要です。検認は必要です。保管は、特に定めは
ありません。
◇秘密証書遺言
定義は、遺言者が遺言証書に署名・押印のうえ封印し、その封紙に公証人
が所定の記載をしたうえ、公証人、遺言者および二人以上の証人が署名・
押印した遺言です。証人は二人以上必要です。署名押印は、本人、公証人、
証人が必要です。印鑑の指定は、本人は実印、証人は認印でも可です。
本人筆記は本人または第三者でも可です。検認は必要です。保管は、特に
定めはありません。
◇公正証書遺言
定義は、二人以上の証人の立会いを得て、遺言者が公証人に遺言の趣旨を
口授し、公証人がこれを筆記して遺言者および証人に読み聞かせ、または
閲覧させて、遺言者および証人が筆記の正確なことを承認した後、各自が
これに署名・押印し、公証人が方式に従って作成した旨を付記して署名・
押印する方式をとる遺言です。証人は二人以上必要です。署名押印は、
本人、公証人、証人になります。印鑑の指定は、本人は実印、証人は
認印でも可です。本人筆記は、公証人が書くので不要です。検認は不要
です。保管は、公証人が保管します。
◎遺言の効力
◇遺言一般の効力
遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生じます。遺言に停止条件を
つけた場合で、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は条件
が成就した時からその効力が生じます。
◇遺贈
遺贈とは、遺言で財産を処分することです。遺言者は、包括または特定の
名義で、その財産の全部または一部を処分することができます。ただし、
遺留分に関する規定に違反することはできません。
◇遺贈の種類
◇包括遺贈
包括的に全部または一定割合でなされる遺贈のこと。受贈者は相続人
に似た状況となるため、相続人と同一の権利義務を有するとされる。
◇特定遺贈
特定の財産についてなされる遺贈のこと
◇遺贈の放棄
◇包括遺贈の放棄
受遺者は、自己のために包括遺贈があったことを知った時から3ヶ月以内
に放棄できる
◇特定遺贈の放棄
受遺者は、遺言者の死亡後いつでも放棄できる
◎遺言の執行
遺言の執行とは、遺言者の死亡後、遺言の内容を実現するため必要な行為を
行う手続のことです。遺言により、一人または数人の遺言執行者を指定し、
またはその指定を第三者に委託することができます。
◎遺言の撤回
遺言者は、いつでも自由に、遺言の全部または一部を、遺言の方式に従って
撤回することができます。これは遺言者の最終的な意思決定を尊重するため
です。遺言者は、その遺言を撤回する権利を放棄できません。
前になされた遺言が後の遺言と抵触するときは、抵触する部分について、
後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます。
被相続人は、遺言をして、その死後における財産の処分について、
自由に決定することができます。
遺言は、被相続人が自分の死後、生前もっていた財産がどうなるかを
自由に決められる制度です。
被相続人が遺言によって、自分の財産を処分することを遺贈と言います。
遺言をするには、自分が行った行為がどのような結果となるかを
判断することができる能力が必要です。
この能力があり、満15歳以上の者であれば、
誰でも遺言をすることができます。
◆遺言の方式
遺言は、民法の定める方式に従わなければ、無効になります。
つまり、効力が生じません。
民法の定める方式には、普通方式として、自筆証書遺言、公正証書遺言、
秘密証書遺言、特別方式として、危急時遺言、隔絶地遺言という
5つの方式がありますが、これらの中で、最も簡単にできるのが、
自筆証書遺言になります。
自筆証書遺言とは、遺言者が、遺言書の全文、日付、氏名を自分で書き、
これに押印するだけでできます。
しかし、自筆証書遺言は、偽造、滅失などのおそれがあります。
例えば、パソコンやワープロで作成した文面に自筆でサインした場合などは、
自筆証書遺言として認められません。
◎関連記事
・民法とは・・
・相続とは・・
・法定相続人とは・・
(記事作成日、平成29年3月31日)