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◆情報公開法の概要
情報公開法は、原則として、国のすべての行政機関が保有する行政文書を開示請求の対象とする。
◎情報公開法の目的
行政機関の保有する情報の公開に関する法律(情報公開法)は、国民の誰もが自分の知りたい情報を、行政機関の長に対して開示することを請求できるとする法律です。
本来、国が保有する情報は、私たち国民の共有財産です。国が行う行政は、国民の税金および財産を使って運営されているからです。情報公開法の制定によって、国民は情報の保有についても政府や行政機関と対等な立場に立つことが可能となりました。情報公開法に基づいて、主権者としての国民の意思を明確にすることができるようになったといえます。
◇情報公開法1条
「この法律は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により、行政機関の保有する情報の一層の公開が図り、もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする。」
◇情報公開法の目的のポイント
①行政機関の保有する情報のいっそうの公開を図る
②政府の説明責任が全うされるようにする
③公正で民主的な行政の推進に資する
◎対象となる機関
情報公開法は、原則として国のすべての行政機関が保有する情報を対象としています。つまり、対象となる機関は行政機関であり、それ以外の立法府である国会や司法府である裁判所が保有する情報は、対象とはなりません。また、地方公共団体や特殊法人が保有する情報も対象外です。
◎対象となる事項
◇行政文書とは
情報公開法による開示請求の対象となるのは、行政文書です。行政文書とは、行政機関の職員が職務上作成し、または取得した文書、図画および電磁的記録であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているものです。「文書」といっても、紙媒体だけでなく、図画、写真フィルム、録音データ、フロッピーディスク、CD、DVD等の電磁的記録も含まれます。
◇行政文書に含まれないもの
次に示すものは、例外的に開示対象から除外するものと定められています。
◇例外として開示対象としないもの
①官報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもの
②公文書等の管理に関する法律2条7項に規定する特定歴史公文書等
③政令で定める研究所その他の施設において、歴史的、文化的、学術研究用の資料として特別の管理がなされているもの(②にあたるものを除く)
◆行政文書の開示
開示請求のあった行政文書は、不開示情報が記録されている場合を除き、開示される。
◎開示請求の概要
◇開示請求の対象
情報公開法による開示請求の対象である行政文書は、前記のとおり、行政機関の保有する文書、図画、電磁的記録という媒体であり、行政機関の保有する情報そのものではありません。
◇開示請求の目的
開示請求にあたっての情報の使用目的について、情報公開法は何も定めていません。したがって、学術目的であろうと事業目的であろうと、開示請求をすることができます。
◇開示請求権者
情報公開法は、開示請求権者を限定していません。外国人や法人等の団体も開示請求をすることができます。
◇情報公開法3条
「何人も、この法律の定めるところにより、行政機関の長(前条(2条)第1項第4号及び第5号の政令で定める機関にあっては、その機関ごとに政令で定める者をいう。以下同じ。)に対し、当該行政機関の保有する行政文書の開示を請求することができる。」
◎開示請求の手続
◇開示請求書の提出
開示請求は、次に掲げる事項を記載した書面(開示請求書)を、行政機関の長に提出して行います。
◇開示請求書の必要記載事項
◇請求者情報
①開示請求をする者の氏名または名称
②住所または居所
③法人その他の団体では代表者の氏名
◇行政文書情報
行政文書の名称その他の開示請求に係る行政文書を特定するに足りる事項
◇開示請求書の補正
行政機関の長は、開示請求書に形式上の不備があると認めるときは、開示請求者に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができます。
◇手数料の納付
開示請求者は、開示請求をする際には手数料を納付しなければなりません。情報が記録された文書等を受領したときではなく、請求をするだけで手数料の納付が必要となるのです。その趣旨は、開示請求の濫用を防止し、真に開示を求める人に制度を利用させることにあります。
◎開示・不開示の決定
◇開示決定等の期限
開示請求を受けた行政機関の長は、一定の期間内に、開示に関する決定をしなければなりません。
◇開示に関する決定の内容
行政機関の長は、開示請求に対し、次の三通りのうち、いずれかの決定をし、開示請求者に所定の通知を、書面によってしなければなりません。
◇開示に関する決定の種類
◇開示
◇全部開示決定
→開示請求に係る行政文書の全部を開示する
◇一部開示決定
→開示請求に係る行政文書の一部を開示
◇不開示
◇全部不開示決定
→開示請求に係る行政文書の全部を開示しない
◇開示情報および不開示情報
◇開示の原則
行政機関の長は、開示請求があったときは、原則として開示請求に係る行政文書を開示しなければなりません。しかし、次に掲げる事由に該当する場合は、不開示とされます。その趣旨は、開示によりプライバシー等の個人の権利利益を害することとなってり、公益に悪影響を及ぼしたりするおそれがあるためです。
◇不開示情報
◇個人に関する情報
・情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(個人識別情報)
・特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより個人の権利利益を害するおそれがあるもの
<例外>
・法令の規定や慣行により、公にされる情報または公にさえる予定の情報
・人の生命、健康、生活または財産を保護するため、公にすることが必要と認められる情報
・公務員等の職および職務遂行の内容に関する情報
◇いわゆる匿名加工情報に関する情報
・行政機関個人情報保護法上の行政機関非識別加工情報もしくは行政機関非識別加工情報の作成に用いて保有個人情報から削除した氏名、生年月日、個人識別符号等
・独立行政法人個人情報保護法上の独立行政法人等非識別加工情報もしくは独立行政法人等非識別加工情報の作成に用いた保有個人情報から削除した氏名、生年月日、個人識別符号等
◇法人その他の団体または個人の営む事業に関する情報
・公にすることにより、法人等の権利や競争上の地位など、正当な利益を害するおそれがある情報
・行政機関の要請を受けて、公にしないとの条件で任意に提供された情報であって、公にしないとの条件をつけることが情報の性質や当時の状況等に照らして合理的と認められるもの
<例外>
人の生命、健康、生活または財産を保護するため、公にすることが必要と認められる情報
◇国の安全に関する情報
公にすることにより、国の安全が害されたり、他国や国際機関との信頼関係が損なわれたり、または他国や国際機関との交渉上不利益をこうむるおそれがあると認められる情報
◇公共の安全と秩序維持に関する情報
公にすることにより、犯罪の予防や捜査、または刑の執行など、公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると認められる情報
◇国の機関等の審議、検討または協議に関する情報
国の機関、独立行政法人等や地方公共団体および地方独立行政法人の内部または相互間における審議、検討または協議に関する情報であって、公にすることにより、率直な意見の交換や意思決定の中立性が不当に損なわれたり、不当に国民の間に混乱を生じさせたり、または特定の者に不当に利益を与えもしくは不利益を及ぼすおそれがあるもの
◇国の機関等の事務または事業に関する情報
国の機関、独立行政法人等や地方公共団体または地方独立行政法人が行う事務または事業に関する情報であって、公にすることにより、事務または事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの
◇部分開示
部分開示とは、不開示情報が記録されている部分を除いた部分について開示することをいいます。
行政機関の長は、開示請求に係る行政文書の一部に不開示情報が記録されている場合において、不開示情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは、開示請求者に対し、当該部分を除いた部分につき開示しなければなりません。
◇公益上の理由による裁量的開示
行政機関の長は、開示請求に係る行政文書に不開示情報(いわゆる匿名加工情報に関する情報を除く)が記録されている場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは、開示請求者に対し、当該行政文書を開示することができます。
◇行政文書の存否に関する情報
開示請求に対し、その行政文書が存在しているか否かを答えるのみで、不開示情報を開示することとなるときは、行政機関の長は、当該行政文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができます。
◎開示の実施
◇開示の方法
行政文書の開示は、文書または図画については閲覧または写しの交付により、電磁的記録については、その種別、情報化の進展状況等を勘案して政令で定める方法により行うことになります。
なお、開示を受ける者は、開示決定の通知があった日から30日以内に、希望する開示の方法を、行政機関の長に申し出なければなりません。
◇第三者に対する意見書提出の機会の付与
開示請求された行政文書の中には、第三者に関する情報が記録されている場合も考えられます。この場合は、第三者が行政文書の開示によって不利益を受けることのないようにしなければなりません。そこで、開示決定の前に、第三者に意見書を提出する機会を与える手続が行われることがあります。
この手続は、任意的に行われる場合と、必要的に行わなければならない場合とがあります。
◇第三者に意見書提出の機会を与える手続
◇任意的
開示請求された行政文書に第三者に関する情報が記録されているとき
◇必要的
①行政文書に記録されている情報が、人の生命、健康、生活または財産を保護するため、公にすることが必要であると認められるとき
②公益上の理由による裁量的開示の規定により開示しようとするとき
※ただし、第三者の所在が判明しない場合を除く
◇開示手数料の納付
開示請求をする者または行政文書の開示を受ける者は、政令の定めにより、それぞれ実費の範囲内で政令の定める額を納付しなければなりません。
この場合は、開示を請求する際にまず手数料を納め、続いて、開示決定を受けて開示が実施される時にも手数料を納めることになります。なお、手数料を減額または免除される場合があります。
◇開示に関する手数料
◇開示請求
開示請求に係る手数料
◇開示決定
開示の実施に係る手数料
◆救済制度
開示決定等への不服は、行政不服審査法や行政事件訴訟法に基づく救済を求めることができる。
◎審査請求
開示決定等に対して不服がある場合も考えられます。たとえば不開示に決定がなされた場合や、開示された情報に自分に関する情報が記録されていた場合などです。このような場合に、行政不服審査法に基づいて、審査請求をすることができます。
◎情報公開・個人情報保護審査会
◇情報公開・個人情報保護審査会とは
情報公開・個人情報保護審査会は、総務省に設置される機関で、15名からなる委員で構成されています。委員の任期は3年で、再任も可能とされています。
◇情報公開・個人情報保護審査会への諮問
開示決定等について審査請求があったときは、裁決をすべき行政機関の長は、原則として情報公開・個人情報保護審査会に諮問しなければなりません。
開示か不開示かの決定を行政機関の判断のみで行わせると、行政機関に都合のよくない情報は不開示とされるおそれがあります。そこで、第三者の立場からの判断も加え、より客観的で公正な決定がなされるようにしたのです。
なお、審査会の調査や審議の手続は、非公開で行われます。
◇審査会の審議内容・調査権限
◇審議内容
①開示拒否処分の適法性の調査・審議
②妥当性の判断
◇ヴォーン・インデックス
審査会は、必要があると認められるときは、諮問庁に対し、行政文書等に記録されている情報または保有個人情報に含まれている情報の内容を審査会の指定する方法により分類・整理した資料を作成し、提出するよう求めることができる
◇インカメラ審理
審査会は、必要があると認めるときは、諮問庁に対し、開示決定等に係る行政文書の提示を求めることができ、諮問庁は、これを拒んではならない
→この場合は、何人も審査会に対し、提示された行政文書の開示を求めることができない
◇その他
審査会は、審査請求に係る事件に関し、審査請求人、参加人または諮問庁(審査請求人等という)に意見書または資料の提出を求めること、適当と認める者にその知っている事実を陳述させまたは鑑定を求めることその他必要な調査をすることができる
◇審査請求人の権利保護
◇審査請求人に認められる権利
◇意見陳述権
審査会は審査請求人等から申立てがあったときは、当該審査請求人等に口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。ただし、審査会が、その必要がないと認めるときは、この限りでない
◇意見書の提出権
審査請求人等は、審査会に対し、意見書または資料を提出することができる
◇提出資料の閲覧権
審査請求人等は、審査会に対し、審査会に提出された意見書または資料の閲覧を求めることができる。この場合において、審査会は、第三者の利益を害するおそれがあると認めるとき、その他正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない
◇答申
審査会は、諮問に対する答申をしたときは、答申書の写しを審査請求人
および参加人に送付するとともに、答申の内容を公表する義務があります。
◇情報公開・個人情報保護審査会の調査審議の対象
情報公開・個人情報保護審査会は、上記のとおり情報公開法に基づく開示決定等に対してなされた審査請求について、諮問を受け調査審議をするほか、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律、独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律の規定に基づく決定(開示・訂正・利用停止)に対し、請求人が行った審査請求についても、諮問を受け調査審議をします。
◇取消訴訟
不開示の決定に不服のある者は、訴訟を提起することができます。これは「不開示処分取消訴訟」とよばれ、審査請求か訴訟か、いずれかを自由に選択することができます。
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(記事作成日、平成29年3月31日)