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日本の行政組織では、一般に個々の所掌事務を明確に区分せず、
課や部などの単位組織全体で職務を処理しています。
これを大部屋主義と言います。
平成13年、自治省、総務省、郵政省を総務所に統合などの省庁再編により、
中央省庁は1府12省庁となりました。
環境庁を環境省に移行したのは平成13年だが、防衛庁を防衛省に移行したのは、
平成19年になります。
内閣府は、内閣に置かれた行政機関になります。
内閣府の長は、内閣総理大臣になります。
人事院や公正取引委員会などの行政委員会は、特定の行政分野について
内閣から独立して職権を行使できます。
ただし、人事権と予算権は、内閣にあります。
◆行政改革
◎行政国家現象
行政国家現象とは、行政権が肥大化し、本来は法の執行機関である行政府が
国の基本政策の形成および決定に事実上中心的な役割を果たしている現象の
ことを言います。
このような行政国家現象が現れるようになったのは、20世紀の積極国家の
要請に伴って、行政活動の役割が飛躍的に増大したことが原因となって
います。
◇行政国家現象の現れ
わが国でも、たとえば、法律では大枠のみを決定して、細部については
行政府の命令に委任する委任命令が増加したり、法理案の作成においても、
官僚が主導権を握っていて、議員立法は極端に少ないのが現状と
なっています。
また、許認可権や行政の裁量行為が増大し、法令に根拠の薄い行政指導も
ひんぱんに行われています。
このような行政権の肥大化を抑制し、行政の効率化や規制緩和を
図るために、行政改革が行われています。
◎中央における行政改革
第二次世界大戦後、高度経済成長に伴い、日本でも行政権の肥大化が
みられました。
その後、二度にわたる石油危機などによる経済不況などを経て、
日本は、低経済成長時代に突入しました。
政府は、景気対策として、大規模な公共事業を行うこととしましたが、
その財源は、いわゆる赤字国債の発行によりまかなわれました。
赤字国債の発行は本来許されませんが、政府は、1975年度以降、
特例として赤字国債を発行し続け、巨額の財政赤字が発生しました。
この財政赤字から脱却するため、総合的かつ長期的な視点に立った
行政改革の必要性が叫ばれるようになりました。
◇行政改革推進法
行政改革推進法は、2006年に制定された、簡素で効率的な政府を
実現するための行政改革についてその基本理念を定めるとともに、
次の各重点分野における改革の基本方針、推進方策等を定めています。
◇政策金融改革
◇独立行政法人の見直し
◇特別会計改革
◇総人件費改革
◇国の資産および債務改革
◇政策金融改革
政策金融とは、政府が、経済社会の発展、国民生活の安定など、
一定の政策を実現する目的で、特に法律を制定することにより
特殊法人として設立し、出資金のうちの多くを政府が出資している
金融機関の総称のことを言います。
具体的には、日本政策投資銀行、商工組合中央金庫などがあげられます。
政策金融改革において、2008年度に、従来の機関の組織および機能を
再編成し、新たに株式会社日本政策金融公庫が設立されました。
◇独立行政法人の見直し
独立行政法人とは、国民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から
確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、
国が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、
民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるもの
又は一の主体に独占して行わせることが必要であるものを効率的かつ
効果的に行わせることを目的として、法の定めるところにより
設立させる法人のことを言います。
独立行政法人は、「官から民へ」の原則の下、民間に委ねると、
実施されないおそれがある法人および事務、事業に限定し、
それ以外は、民営化、廃止および事務、事業の民間委託、廃止を
行う必要があります。
そこで、2006年度以降にはじめて中期目標の期間が終了する
独立行政法人に対する国の歳出の縮減を図る見地から、
その組織および業務のあり方、これに影響を及ぼす国の施策の
あり方についての検討が行われ、独立行政法人の整理、合理化が
進められています。
◇特別会計改革
特別会計とは、国が行う特定の事業や特定の資金を運用するなどの
目的で、一般会計とは別に設けられている会計のことを言います。
特別会計は、じぎゅの内容によっては、受益と負担の関係や
事業ごとの収支をより明確にできるという利点があります。
しかし、国全体としていっそうの歳出の合理化、効率化が求められる
なかで、特別会計は、財政資金全体の効率的な運用が図られていない
という批判がなされていました。
そこで、特別会計改革においては、特別会計の廃止および統合ならびに
その経理の明確化および特別会計において経理されている事務、事業の
合理化、効率化が実施されました。
◇総人件費改革
総人件費改革においては、2010年度の国家公務員の年度末総数を
2005年度の国家公務員の年度末総数の5%以上の純減とすることを
目標として、これを達成するため必要な改革が行われました。
◇国の資産および債務改革
国の資産、債務改革においては、財政融資資金の貸付金の残高の
縮減を維持し、歳出の削減を徹底するほか、国有財産の売却、
剰余金等の見直しその他の改革を行います。
◇行政改革の手法
◇PFI:Private Finance Initiative
(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律)
民間の資金やノウハウを活用して公共施設等の建設、維持管理、
運営等を行う手法。
国や地方公共団体の事業コストの削減、より質の高い公共サービスの
提供を目指す。
◇市場化テスト:官民競争入札
(競争の導入による公共サービスの改革に関する法律)
公共サービスについて、「官」と「民」が対等な立場で競争入札に
参加し、質・価格の両面で最も優れた者が、さのサービスの提供を
担う制度。
官民競争入札、民間競争入札を活用し、公共サービスの実地について
民間事業者の創意工夫を活用することにより、行政の効率化と、
国民のため、より良質かつ低廉な公共サービスを実現する。
◇構造改革特区(構造改革特別区域法)
特定の地域に事業化に関する規制の特例措置を導入することにより、
経済社会の構造改革の推進と地域活性化を実現する制度。
地方公共団体の特定事業について、国の認定を受けて事業を実施する。
◇指定管理者(地方自治法)
地方公共団体が有する公の施設の管理・運営を、地方公共団体が
指定する民間事業者に行わせる制度。
民間事業者等に公の施設の管理を代行させることにより、
公共サービスの向上、経費の削減を図りながら、
多様化する市民ニーズにより効率的、効果的に対応する。
◇政策評価制度
政策評価制度は、各府省が、自ら政策の効果を把握、分析し、
評価を行うことにより、次の企画立案や実施に役立てるものです。
これは、Plan、Do,Check、Actionという政策の
マネジメント・サイクルの流れとして考えることができます。
具体的には、2001年に中央省庁等改革の一つの柱として、
政策評価制度がスタートしました。
その後、政策評価制度の実効性を高め、国民の信頼のいっそうの向上を
図るため、行政機関が行う政策の評価に関する法律が制定され、
2002から施行されています。
◎地方における行政改革(地方分権)
地方分権とは、中央政府と地方政府とが分有する一国全体の行政機能を
地方自治の主体としてできるだけ多くの権限を地方公共団体に付与する
ことを言います。
◇歴史
日本国憲法は、地方自治の章を設けて、地方自治の本旨を示し、
地方自治を制度的に保障しました。
また、地方自治の本旨を具体化した地方自治法を憲法と同時に
施行しました。
◇戦後の地方分権の動向
◇1949年
GHQの要請によって来日したシャウプ使節団による税財政に
関する勧告に基づく地方税財政の改革。
シャウプ勧告を基礎として地方税財政の改革が行われ、
1950年、地方税法が制定された。
◇1956年
地方自治法の大幅改正による都道府県と市町村の関係の明確化。
大都市につき特別市制から政令指定都市制度への変更
◇1970年代
二度に及ぶ石油危機や高度経済成長の終焉は、地方自治体の
財政状況を急激に悪化させたばかりでなく、高度経済成長を前提とし、
福祉施策の拡大および公害対策等を政策の中心としてきた
地方自治体に、その変革を求めることとなりました。
◇1980年代後半
国と地方の関係について、行政改革を推進する観点から、
国・地方を通じて行政が最も合理的かつ効率的に機能するように、
国と地方の機能分担のあり方を見直すことが強く提唱された。
◇1990年代以降の地方における行政改革(地方分権)
◇1991年
地方自治法の大幅な改正が行われ、機関委任事務に対する議会
および監査委員の権限の拡大、職務執行命令訴訟制度の見直しなどが
行われた。
◇1992年
地方分権特例制度が閣議決定され、翌年、「地方分権の推進に関する
決議」が採択された。
◇1994年
地方自治法が改正され、中核市制度と広域連合制度が創設されるなど、
地方分権に向けた制度改革が行われた。
◇1995年
地方分権推進法が5年の時限法として制定され、地方分権推進委員会の
設置などが規定された。
◇地方分権一括法
◇意義
地方分権一括法とは、地方分権を図るために、地方自治法や
国家行政組織法など、地方自治にかかわる475の法律の改正を一括して
行った法律になります。
この法律は、これまで、上下主従関係にあった国と地方自治体を
対等な協力関係とするのが目的で、地方分権推進委員会による
第四次までの勧告を具体化したものです。
◇内容
地方分権一括法は、まず、国の仕事の代行であった機関委任事務を
廃止し、地方自治体の裁量に任せる「自治事務」と、国が実施方法まで
定める「法定受託事務」に分け、国と地方自治体の役割分担の
明確化を図りました。
また、国と都道府県の対立を解決する国地方係争処理委員会、
都道府県と市町村の対立を解決する自治紛争処理医院を設置し、
ここで解決しない場合は、裁判所で争うというシステムを
定めました。
さらに、国が義務づけてきた必要規制の廃止および緩和、
地方事務官制度の廃止などが規定されています。
◇三位一体の改革
三位一体の改革とは、①地方交付税交付金制度を見直し、
②国庫補助負担金を削減し、国の歳出削減を進めて、その代わりに、
③一定の財源を国から地方に移譲するという三つのことを同時に
行おうとする改革のことを言います。
三位一体の改革については、地方分権改革推進会議が、2003年に
意見書を提出するとともに、経済財政諮問会議でも検討が行われ、
それを受けて、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」に
三位一体の改革の具体的な改革工程が盛り込まれました。
◇目的
三位一体の改革は、地方公共団体が、国の補助金、地方交付税への
依存から脱却すること、地方交付税の不交付団体を増やして地方財政の
プライマリーバランスを黒字化することなどを通じて、
健全な地方財政を確立することを目的としています。
◇NPM(ニュー・パブリック・マネジメント)
NPMとは、民間企業で活用される経営理念や経営手法を、
公共部門の運営に適用することで、マネジメントの革新を図り、
効率的でより質の高い行政サービスの提供を目指す公共経営のことを
言います。
NPMでは、効率的でより質の高い行政サービスを提供することにより、
行政運営において、透明性を向上させたり、説明責任を全うさせて、
国民の満足度を向上させることが目的とされます。
具体的には、次のような手法が一般に用いられます。
◇徹底した競争原理の導入
◇業績や成果による評価(成果主義)
◇政策の企画立案と実施施行の分離(権限委譲)
◇日本におけるNPMの現在の状況および評価
日本において、1996年に、三重県の事務事業評価システムで、
はじめてNPMが導入されました。
その後、1990年代後半には、橋本内閣による「橋本行革」で、
NPMを意識した独立行政法人制度の導入や政策評価の制度化などが
決定されました。
また、小泉内閣による「小泉改革」の下、郵政民営化、規制緩和、
国立大学の独立行政法人化として推進されました。
◇行政統制
行政統制とは、行政国家の下、肥大化した行政権に対する
民主的コントロールのことを言います。
行政活動に対する統制は、国民を直接的に代表する国会による統制、
国民を直接的または間接的に代表する執政期間による統制、
そして、裁判所による統制を基本としています。
◇国会による統制
◇立法法による統制
法律案の議決、予算ならびに決算の議決、条約の承認、および、
これらの審議過程での質疑と決議など
◇人事権による統制
内閣総理大臣の指名、内閣の信任・不信任など
◇国政調査権による統制
国政調査権に基づく行政府の有する資料の提出要求など
このうち、立法権による統制についてのおもな課題は、
内閣提出法案に対する修正、予算の修正、決議を含めて、議員立法権を
どの程度まで積極的に活用することができるか、政令などへの委任を
どの程度まで狭い範囲に抑制できるかという点にあります。
行政国家現象によって、内閣提出法案や委任立法の増大が顕著になって
きている現状においては、立法権による統制という視点は重要なものと
なってきます。
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(記事作成日、平成29年4月10日)