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◆法の効力
◎属地主義の原則
◇属地主義とは
属地主義とは、法の適用および効力の及ぶ範囲を、
当事者の国籍を問わず、自国の領域内に限定する考え方をいいます。
わが国の刑法においては、属地主義が原則とされています。
たとえば、東京でA国人がB国人のカバンを盗んだ場合は、
日本の刑法が適用されいます。
◇属地主義の例外
◎属人主義
自国の国民の行った行為については、その場所のいかんを問わず、
自国の法律を適用するという考え方
◎保護主義
当事者の国籍や行為が行われた場所のいかんを問わず、
自国または自国民の利益を保護する必要がある場合に、
自国の法律を適用するという考え方
◎世界主義
当事者の国籍や行為が行われた場所のいかんを問わず、
世界共通の一定の法益を侵害する行為に対して、
自国の法律を適用するという考え方
◎人的適用範囲
人的適用範囲とは、法がどのような人に対して適用されるかという
問題になります。
わが国において、天皇および摂政は刑事訴追を受けないとされています。
◎場所的適用範囲
場所的適用範囲とは、法がどの場所で行われた行為に対して
適用されるかという問題になります。
日本の法は、日本の領土、領空および領海に及びますが、
それだけでなく、日本国外にある日本の船舶や航空機、
外国における公館にも及びます。
◎時間的適用範囲
◇法の不遡及
法は、原則としてその施行の後に生じた事実に適用され、
施工前の事実には、さかのぼって適用されません。
これを、法の不遡及と言います。
◇効力の発生または消滅の時期
法令は、その制定権限を有する機関が、制定、公布、施工と
手続を進めますが、成文法の場合に、その効力が生ずるのは、
法の施行の日からです。
これに対し、慣習法は、成立した時から効力が生じます。
もっとも、慣習法の成立時は明らかでないことが多いと言えます。
また、成文法は、廃止によってその効力を失います。
◇経過規定
ある事実が新法の適用を受けるか、旧法の適用を受けるかは、
明文をもって規定するのが普通です。
この場合の明文の規定を、経過規定または経過法と言います。
◆法の分類
◎形式上の分類
◇成文法と不文法
成文法とは、一定の形式および手続に従って制定される法で、
文字により表記されているものをいいます。
成文法には、上下の段階的な構造があります。
上位法は下位法に優先します。
たとえば、憲法は法律に優先しますし、法律は政令や省令に優先します。
成文法に対し、不文法とは、文字による表記以外の形で存在する法の
ことになります。
成文法は、一般に不文法に優先します。
不文法には、次に掲げるようなものがあります。
◇慣習法
慣習に基づいて成立する法のこと
<慣習法の成立要件>
・そのことが繰り返し行われていること
・それに対し法的な確信が形成されていること
◇判例法
判例、特に最上級の裁判所の判決が繰り返され、先例として、
後の裁判を拘束する力をもつに至ったもの
◇条理
物事の筋道のこと。裁判において、成文法も慣習法も存在しない
場合、あるいは不十分である場合に、条理が法源とされることが
あります。
◇一般法と特別法
一般法とは、適用対象が一般的な法のことをいい、特別法とは、
適用対象が特定されている法のことを言います。
両者の区別は相対的なものになります。
◇強行法規と任意法規
強行法規とは、法令の規定のうち、その内容と異なる合意をすることが
許されず、当事者の意思にかかわらず適用される規定を言います。
任意法規とは、契約などによって法令の内容と異なる合意をすることが
認められる規定を言います。
◎内容上の分類
◇国内法と国際法
国内法は、国家がもっぱら自国内で制定する法を言います。
これに対し、国際法は、国家間あるいは国家と国際機関との間など、
国際社会を規律する法になります。
◇公法と私法
公法とは、国とその構成員との間の関係を規律する法律になります。
これに対し、私法とは、私人間を規律する法律になります。
◇実体法と手続法
実体法とは、権利や義務など法律関係の内容について規定する法律に
なります。
これに対し、手続法とは、実体法の内容を実現するための手続を
定めた法になります。
◇民事法と刑事法
民事法とは、私人間の権利義務関係およびそれに関する紛争解決の
手続を規律する法を言います。
これに対し、刑事法とは、犯罪と刑罰およびその手続きを規律する
法を言います。
◆法の解釈
法の解釈とは、法の意味するところを明らかにすることをいいます。
法は、言葉を用いて表現されますが、ある程度幅広い事態に対応できるよう、
抽象的な表現を用いざるを得ない場合があります。
また、そもそも言葉というものがすべて一義的なものというわけでも
ありません。
そこで、法の解釈が必要となります。
◎法の解釈の方法
◇文理解釈
条文の言葉を文法的に解釈する方法になります。
かつては、この解釈方法だけで足りました。
しかし、社会の複雑化から、次の論理解釈の方法も要求されるように
なっています。
◇論理解釈
必ずしも条文の言葉の文法的意味にこだわらず、法の目的や
他の条文との関係などから法規範を解釈する方法になります。
論理解釈の方法として、一般に、次の6種類があげられます。
◇反対解釈
条文に規定されている事項以外の事項については、
その条文は適用されないという解釈方法
◇類推解釈
ある事項について、直接規定する条文がないときに、
類似する事項についての条文を当てはめるという解釈方法
◇勿論解釈
ある事項について、直接規定している条文ではないが、
法令の趣旨や目的から適用すべきと考えられるので、
その条文を適用するという解釈方法
◇縮小解釈
条文の言葉を、通常の用法より狭い意味に理解する解釈方法
◇拡張解釈
条文の言葉を、通常の用法より広い意味に理解する解釈方法
◇変更解釈
条文の言葉を、多少変更した意味に理解する解釈方法
◆法の基本原理
◎私法の基本原理
◇権利能力平等の原則
すべての人は、等しく権利と義務の主体となりうる資格をもつという
原則を、権利能力平等の原則と言います。
◇私的自治の原則
当事者の自由意思を最大限尊重し、権利主体は、私的な法律関係を
自由に形成できるとする原則を私的自治の原則と言います。
この原則は、通常、私人間の契約に国家権力が介入しないという場面で
現れることが多く、その場合は、契約自由の原則と言われます。
◇所有権絶対の原則
所有権とは、その物を直接全面的に支配する権利になります。
所有権絶対の原則とは、個人の所有権を国家権力などがむやみに
制約してはならないという原則になります。
もっとも、この原則といえども、所有権がまったく制約を受けないという
わけではありません。
たとえば、ある土手が、自分の所有地であろうとも、決壊しやすい状態に
置くことは許されません。
◇過失責任の原則
過失責任の原則とは、ある人の法的責任を追及するためには、
その人に故意または過失がなければならないという原則になります。
この原則によれば、故意や過失がない限り、自由に行動ができるので、
起業の経済発展にはプラスにはたらきます。
しかし、この原則も絶対的なものではありません。
たとえば、公害関連や消費者保護関連の法規には、無過失責任を
認めたものがあります。
◎刑法の基本原理
◇刑法の機能
◇規制的機能
規制的機能とは、犯罪行為に対する規範的評価を明らかにする機能を
いいます。
つまり、何が犯罪となり、犯罪にはどのような刑罰が科せられるかを
示し、犯罪が法的に許されないことを明確にする機能のことになります。
◇保護的機能
保護的機能とは、社会生活上の一定の利益を、刑法が犯罪から保護する
機能を言います。
◇保障的機能
保障的機能とは、国家権力が恣意的に刑罰権を乱用しないように、
刑罰を科すことができる要件と効果を明文化し、
そのことによって、国民の自由を保障する機能を言います。
◇責任主義
責任主義とは、「責任なければ刑罰なし」という考え方です。
たとえば、刑法は、14歳未満の者については、一律に責任を問えないと
しています。
◇罪刑法定主義
罪刑法定主義とは、一定の行為を犯罪とし、これに刑罰を科するには、
あらかじめ成文の刑法が存在しなければならないとする原則を言います。
◇罪刑法定主義の具体的内容
◇事後法の禁止
ある行為について、行為後に施行された刑罰法規に基づいて
処罰することは許されない
◇類推解釈の禁止
被告人に不利となる刑罰法規の類推解釈は許されない
◇明確性の原則
犯罪と刑罰の定めは、できるだけ明確に規定されなければならない
◇慣習刑法の禁止
慣習法に基づく処罰は許されない
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(記事作成日、平成29年4月17日)