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◆審理
行政不服申立ての審理は、原則として、書面による審理であり、審査庁の職権であり、審査庁の職権で進められる。
◎審理の対象
行政不服申立ては、処分庁または上級行政庁などの監督権限をもつ行政庁が、行政処分の適法性と妥当性とを審査する手続です。このことから、審査の対象には、処分または不作為の適法・違法の問題(法律問題)のみならず、当・不当の問題(裁量問題)も含まれます。
◎審理手続
◇審査請求
◇標準審理期間
審査庁となるべき行政庁は、審査請求がその事務所に到達してから当該審査請求に対する裁決をするまでに通常要すべき標準的な期間(標準審理期間)を定めるよう努めるとともに、これに定めたときは、当該審査庁となるべき行政庁および関係処分庁(当該審査請求の対象となるべき処分の権限を有する行政庁であって当該審査庁となるべき行政庁以外のもの)の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければなりません。
◇審理員
審査請求を受けた審査庁は、審査庁に所属する職員のうちから審理手続を行う者を指名するとともに、その旨を審査請求人および処分庁等に通知しなければなりません。手続の公正さを確保するため、審理員は、原処分に関与していない者であることが求められ、次に掲げる者以外の者でなければならないとされています。
◇審理員となれない者
◇審査請求に係る処分もしくは当該処分に係る再調査の請求についての決定に関与した者または審査請求に係る不作為に係る処分に関与し、もしくは関与することとなる者
◇審査請求人
◇審査請求人の配偶者、4親等内の親族または同居の親族
◇審査請求人の代理人
◇審査請求人の配偶者、4親等内の親族または同居の親族、代理人であった者
◇審査請求人の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人または補助監督人
◇利害関係人(審査請求人以外の者であって審査請求に係る処分または不作為に係る処分の根拠となる法令に照らし当該処分につき利害関係を有するものと認められる者。
◇審理の方法
審理の方式は、原則として書面審理によります。
ただし、例外があります。審査請求人または参加人の申立てがあった場合には、審理員は、原則として申立人に口頭で、意見を述べる機会を与える必要があります。つまり、当事者には、口頭での意見陳述権が認められているのです。
審理の手続は、原則として審理員の職権で進められます。
たとえば、審理員は、審査請求に係る事件について、審理するべき事項が多数であり、または錯綜しているなど事件が複雑であることその他の事情により、迅速かつ公正な審理を行うため、審理手続を計画的に遂行する必要があると認める場合には、期日および場所を指定して、審理関係人を召集し、あらかじめ、これらの審理手続の申立てに関する意見の聴取を行うことができます。この意見聴取は、審理関係人が遠隔の地に居住している場合その他審理員が相当と認める場合には、電話により行うことができます。また、審査庁は、申立人の主張にとらわれないため、申立人の主張していない事項についても審理をし、これに対して裁決をすることができます。
行政不服申立てにより救済は、手続の簡易性と迅速性とが求められるからです。
審査請求人、参加人および処分庁等(審理関係人)ならびに審理員は、簡易迅速かつ公正な審理の実現のため、審理において、相互に協力するとともに、審理手続の計画的な進行を図らなければなりません。
◇不服申立要件
審査庁は、審査請求書が提出された場合に、まず不服申立要件を確認します。
そして、違法な審査請求である場合には、審理員は審査請求書または審査請求録取書の写しを処分庁等に送付し、その後、処分庁等に弁明書の提出を請求します。
審理員は、処分庁等から弁明書の提出を受けたときは、これを審査請求人および参加人に送付しなければなりません。
審査請求人は、弁明書の送付を受けたときは、これに対する反論書を提出することができます。
◇職権証拠調べの原則
証拠調べをする手続きも、原則として、審理員の職権によって進められます。
◇職権証拠調べの例
◇物件の提出要求(33条)
◇参考人の陳述および鑑定の要求(34条)
◇検証の実施(35条)
◇審理関係人への質問(36条)
審査庁が職権で証拠調べができるといっても、独断を防止するための方策は必要です。そこで、次に掲げる独断防止のための手段が当事者に用意されています。
◇審査請求人および参加人の権利
◇証拠書類等の提出権(32条)
◇審査庁の証拠調べ手続の発動を促す権利(33条~36条)
◇検証に立ち会う権利(35条2項)
◇提出書類等の閲覧または交付を請求する権利(38条)
◇再調査の請求
再調査の請求の手続は、審査請求よりも簡易な手続とされています。
具体的には、再調査の請求には審査請求の規定が準用されますが、審理員による審理や行政不服審査会への諮問、弁明書・反論書等の規定は準用されません。
◎執行不停止の原則と例外
不服申立てがなされたからといって、すべての処分の効力がなくなったり、処分の執行が止まったりするわけではありません。むしろ、処分は続行するのが原則です。
◇執行不停止の原則
行政庁の処分に対する不服申立てがなされたとしても、処分の効力、処分の執行または手続の執行を妨げられません。
◇執行不停止の例外
執行不停止が原則ですが、不服申立人の権利ないしは地位を保全して、その救済を図る必要はあります。そこで、次に掲げる、一定の要件を満たした場合には、執行停止が認められています。
◇執行停止が認められる場合
◇審査庁が処分庁の上級行政庁または処分庁である場合
審査庁は、必要があると認めるときは、審査請求人の申立てまたは職権により、執行停止をすることができる。
◇審査庁が処分庁の上級行政庁または処分庁以外の行政庁である場合
審査庁は、必要があると認めるときは、審査請求人の申立てにより、処分庁の意見を聴取したうえで、執行停止のうち、処分の効力、処分の執行または手続の執行の全部または一部の停止をすることができる。
◇執行停止義務がある場合
審査請求人の申立てがあった場合において、処分、処分の執行または手続の続行により生ずる重大な損害を避けるために緊急の必要があると認めるときは、次に掲げる場合を除き、審査庁は執行停止をしなければならない。
◇公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき
◇不服申立てについて理由がないとみめるとき
◇執行停止の取消し
執行停止をした後に、執行停止が公共の福祉に重大な影響を及ぼすことが明らかとなるなど、事情が変更したときは、審査庁は、その執行停止を取り消すことができます。
審査請求とは、行政庁の処分や不作為につき、審査庁に対して、不服を申し立てる手続きのことになります。
原則として、審査請求の手続きは、審査請求→審理手続→行政不服審査会等への諮問→裁決となっています。
◆審査請求
審査請求は、原則として審査請求書を提出して行います。
なお、審査請求には審査請求期間が定められており、原則として、処分についての審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3カ月、処分があった日の翌日から起算して1年とされています。
◆審理手続
審理手続の流れは、以下のようになります。
◎弁明書の提出
◎反論書、意見書の提出
◎証拠調べ続き
◎審理手続の終結
◎審理員意見書の作成、提出
審査請求の審理は、原則として、問題となっている処分や不作為に係る処分に関与していない職員のなかから指名された審理員が行います。
審理の手続きは、審理員の職権により進められ、また、書面審理で行われます。
証拠調べについても、原則として審理員の職権によって進められます。
ただし、審査請求人または参加人の申立てがあった場合には、その申立人に、口頭で意見を述べる機会を与えなければなりません。
なお、審理員は、審査請求書の写し等を処分庁等に送付し、処分庁等から弁明書の提出を受けることによって、処分庁等の言い分も聴きます。
◆行政不服審査会等への諮問
審査庁は、審理員が審理の結果作成した審理員意見書の提出を受けると、これを行政不服審査会等の第三者機関に諮問しなければなりません。
第三者機関からの答申を受けて、審査庁は、裁決を行います。
◆裁決
裁決とは、審査請求に対して、審査庁が判断を出すこと、あるいはその出された判断の結果のことを言います。
審理手続は、通常、審査請求人による審査請求の取下げ、または裁決によって終了します。
裁決には、次の4種類があります。
◎却下裁決
◎棄却裁決
◎事情裁決
◎認容裁決
(詳細→「裁決とは・・」)
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(記事作成日、平成29年3月31日)