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◆契約の概要
契約は、履行しなかった場合に、裁判所の力でその内容が強制的に実現される
点で約束と異なる。
◎契約とは
契約とは、2個以上の意思表示の合致した法律行為で法定拘束力が生ずるもの
をいいます。複数の者の意思が合致する点で、契約は約束と似ています。
たとえば、私たちは友人と映画を観に行くことを約束することがあります。
しかし、約束を破った場合に、道義的に避難されることはあっても、その内容
を強制的に実現されることはありません。これに対し、契約を破ると、裁判所
の力を使って、その内容が強制的に実現されます。つまり、契約は、履行を
しなかった場合に法的責任を問われる点で約束と異なります。
◎契約の種類
◇典型契約と非典型契約
そもそも誰とどのような内容の契約を結ぶかは、原則として自由に決める
ことができますが(契約自由の原則)、民法は典型的な契約として、次に
示す13種類を定めています。これらを典型契約(有名契約)といいます。
もちろん契約の締結にあたっては、これらにしばられず、これらの複合的
な性質を有する契約とするなど、自由に契約内容を定めることができます。
典型契約にあたらない契約を非典型契約(無名契約)といいます。
◇典型契約
◇移転型の契約(所有権の移転)
贈与、売買、交換
◇貸借型の契約
消費貸借、使用貸借、賃貸借
◇労務提供型の契約
雇用、請負、委任、寄託
◇その他の契約
組合、終身定期金、和解
◇双務契約と片務契約
双務契約とは、当事者双方が対価的な債務を負担する契約のことです。
片務契約とは、当事者の一方のみが債務を負担する契約のことです。
◇有償契約と無償契約
有償契約とは、当事者双方が対価的な経済的価値を支出する契約のこと
です。無償契約とは、当事者の一方のみが経済的価値を支出する契約の
ことです。
◇諾成契約と要物契約
諾成契約とは、当事者の合意のみで成立する契約のことです。要物契約
とは、合意のほかに物の引渡し等がなければ成立しない契約のことです。
◆契約の成立
契約は、申込みの意思表示と承諾の意思表示が合致することによって成立する。
◎契約の成立要件
◇契約の成立
契約は、申込みの意思表示と承諾の意思表示とが合致することによって
成立します。
なお、契約が成立するためには、意思表示の合致のほかにも、その前提と
して契約を行う契約当事者と、契約の対象となる目的物とが必要です。
◇契約の成立要件
申込みの意思表示と承諾の意思表示との合致
※前提
①契約当事者が存在すること
②契約の目的物が存在すること
◇隔地者間の契約
当事者が対面して、または電話で話していれば、意思表示の発信と到達は
ほぼ同時です。しかし、離れた場所にいる者が手紙で意思表示をするような
場合に、発信と到達の間に時間的間隔が生じます。民法上、このような隔地
者間の意思表示は相手方に到達した時から効力を生じます。ただし、隔地者
間で契約をする場合は、承諾の通知を発した時に契約が成立するとされて
います。
申込みがなされると、申込みをした者は勝手にこれを撤回することができ
ません。これを申込みの拘束力といいます。
具体的には、まず、承諾の期間を定めないで隔地者に対してした申込みは、
申込者が承諾を受けるのに相当な期間を経過するまでは、撤回することが
できません。また、承諾の期間を定めて隔地者に対して申込みをした場合
は、その期間内は申込みを撤回することはできません。
なお、承諾者が申込みに条件を付すなど、変更を加えてこれを承諾した
場合には、その申込みの拒絶とともに、新たな申込みをしたものとみな
されます。
◎契約成立の効果
①契約の拘束力が生じ、当事者の一方の意思だけでは、原則として契約を
解消することができない
②当事者の一方が債務不履行の場合は、その相手方は強制執行手続をとる
ことができる
③当事者の一方が損害を与えた場合には、その相手方は損害賠償請求や
解除ができる
◆契約の効力
双務契約における契約の効力の表れには、同時履行の抗弁権および危険負担が
ある。
双務契約においては、当事者の債務は対価的な相互依存の関係に立っています。
たとえば、売買契約においては、代金を支払ってもらうからこそ、商品を引き
渡すというように、一方の債務と他方の債務が強く結ばれた関係になっている
のです。このような関係を牽連性といいます。この牽連性は、①成立上の牽連
性、②履行上の牽連性、③存続上の牽連性に分けて考えることができます。
◇成立上の牽連性
双務契約において、一方の債務がもともと不能(原始的不能という)で
成立していなければ、他方も成立しないということ
◇履行上の牽連性
双務契約において、一方の債務が履行されない間は、原則として他方も
履行しなくてもよいということ
◇存続上の牽連性
双務契約において、一方の債務が債務者の責めに帰することができない
事由により消滅した場合は、原則として他方も消滅するということ
◎同時履行の抗弁権
◇同時履行の抗弁権とは
同時履行の抗弁権とは、双務契約において、相手方がその債務の履行を
提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる権利をいいます。
双務契約における履行上の牽連性を具体化したものです。すなわち、双方
につり合いのとれた債務を負担する双務契約においては、一方の債務が
他方の債務と無関係に履行されるのでは不公平なので、双方が同時に履行
すべきとしたのです。
たとえば、A電器店がBにパソコンを販売したところ、Bが代金を支払わ
ずにパソコンの引渡しを請求してきた場合に、A電器店はBが代金を支払
うまで引渡しを拒むことができます。
◇同時履行の抗弁権の要件
①同一の双務契約から生ずる両債務が存在すること、②双方の債務がとも
に弁済期にあること、③相手方が自己の債務の履行の提供をしないで他方
の債務の履行を請求してきたことの3つが要件とされます。
◇効果
同時履行の抗弁権を行使した結果、①自分の債務の履行の拒絶ができる、
②債務を履行しなくても履行遅滞の責任を問われない、③相殺を受けない
という3つの効果が生じます。
また、同時履行の抗弁権は間接的に債務の履行を促す役割も果たしていま
す。その意味で、同時履行の抗弁権は留置権と同様の機能を果たしている
といえます。
◎危険負担
◇危険負担とは
危険負担とは、双務契約において、一方の債務が債務者の責めに帰すること
ができない事由によって履行不能となり消滅した場合に、他方の債務は消滅
するかという問題をいいます。双務契約における存続上の牽連性を具体化し
たものです。
◇債務者主義の原則
双務契約は、契約が存続するうえでも牽連性があると考えるのが自然です。
したがって、危険負担についての処理は原則として、債務者主義になりま
す。債務者主義とは、一方の債務が消滅すると、他方の債務も消滅すると
いう考え方のことです。
たとえば、AがBに甲建物を賃貸していたところ、甲が第三者Cの放火に
より全焼した場合、Aが甲を賃貸する債務は消滅します。そして、この
債務の消滅に関する危険は債務者が負担するので、AはBに家賃を請求
することができなくなります。
◇債権者主義
債権者主義とは、一方の債務が消滅しても、他方の債務は消滅しないで
存続するという考え方のことです。
この債権者主義が適用になるおもな場面は、特定物に関する所有権、
地上権や永小作権等の物件の設定や移転の場合です。特定物売買がその
典型例です。
たとえば、AがBに自己の所有する甲建物を売却したところ、その後に、
甲が第三者の放火で全焼してしまったとします。この場合に、Aが甲を
引き渡す債務は消滅しますが、危険は債権者が負担するので、売買代金
債務は存続します。つまり、買主Bは甲が焼失しても代金を支払わなけ
ればなりません。
この点については、「利益の存するところに損失も帰する」、「所有者
が危険を負担すべきだ」、「危険は買主にあり(ローマ法の沿革)」と
いういい方で説明がされていますが、社会常識からみて納得はできない
でしょう。
そこで、実務では、当事者間の特約でこの債権者主義をとらず、特定物
の売買契約であっても、債務者主義を採用しています。
◇停止条件付き売買契約と危険負担
特定物に関する売買や地上権、永小作権等の物件の設定または移転を目的
とする双務契約が停止条件付きである場合は、どのように処理されるので
しょうか。
停止条件付きの契約で条件の成否が未定の場合にまで、買主に利益があり
買主が危険をすべて負担すべきだと考えるのは、厳しすぎるのではないか
と考えられます。そこで、民法は、目的物が損傷した度合いに応じて調整
しています。
◇停止条件付き売買契約と危険負担
◇目的物の状態→滅失した場合
危険負担の処理→債務者主義:代金を払わなくてよい
◇目的物の状態→損傷した場合
危険負担の処理→債権者主義:代金を全額支払う
◎第三者のためにする契約
◇第三者のためにする契約とは
第三者のためにする契約とは、契約当事者の一方が第三者に直接に債務を
負担することを、相手方と約束する契約のことです。たとえば、Aが
B保険会社との間で、Cを受取人として生命保険契約を締結するような
場合です。この場合の契約当事者はAとBであり、Aを要約者、B社を
諾約者と言います。第三者であるCを受益者といいます。
第三者のためにする契約といっても独立した契約の種類というわけでは
ありません。契約によって発生した法律効果の一部を第三者に帰属させる、
という契約なのです。
◇第三者のためにする契約の成立要件
①要約者、諾約者間に有効な契約が成立すること、②第三者に直接、権利
を取得させる趣旨が、契約の内容となっていることが成立要件です。
受益者の権利は、受益者が諾約者に対して契約の利益を享受する意思を
表示した時に発生するとされています。これを受益の意思表示といいます。
したがって、受益の意思表示は契約の成立要件ではなく、さらに受益者が
契約当時に存在している必要もありません。
◆解約の解除
履行遅滞により契約を解除する場合、債権者は、相当な期間を定めて履行の
催告をする必要がある。
◎契約の解除とは
契約の解除とは、契約が締結された後に、その一方の当事者の意思表示に
よって、その契約をはじめから存在しなかったと同様の状態に戻す効果を
生じさせることをいいます。
双務契約において、債務者が任意に履行をしない場合は、債権者は契約を
存続させて、自分の債務を履行するとともに、強制執行をしたり、損害賠償
を請求したりすることができます。
しかし、債権者としては、自分自身の債務から解放され、すでに履行した物
を取り返し、契約をしなかった時点と同じ状態に戻してもらったほうがよい
と考える場合もあるでしょう。そこで、債務者を保護するため、一定の要件
を満たす場合に契約を解除することが認められています。
たとえば、Aが所有する甲建物をBが購入したところ、約定の引渡期日に
なってもAが甲を引き渡さない場合には、Bは、所定の要件の下、Aとの間
の売買契約を解除することができ、支払った手付などがあれば取り戻すこと
ができます。
◎解除の要件
契約を解除するための要件は、履行遅滞の場合と履行不能の場合とでは
異なります。
◇解除の要件
①履行が可能なこと
②履行期を経過したこと
③履行期を遅れたことが違法であること
④債務者に帰責事由があること
⑤相当な期間を定めた履行の催告がなされたこと
⑥解除の意思表示をしたこと
◇履行不能で解除する場合
①履行期に履行することが不能となったこと
②履行不能が違法であること
③債務者に帰責事由があること
④解除の意思表示をしたこと
履行遅滞における相当な期間を定めた履行の催告については、①期間をそも
そも定めずに催告した場合、②定めた機関が相当な期間でなかった場合の
二つが問題となります。
これらについては、いずれも催告として有効です。債権者は催告の時から
客観的にみて相当な期間が経過したときは、契約を解除することができます。
また、債務者のほうで催告に対して、履行を拒絶する意思を明確に表示した
場合は、相当の期間が満了することを待たずに、債権者はただちに契約を
解除できるとされています。
◎解除の方法
解除は、解除権を有する当事者の一方から相手方に対する意思表示によって
行います。相手方の同意や承諾は不要です。
◇意思表示
相手方に対する一方的な意思表示で行い、相手方の同意や承諾は不要
◇撤回の可否
相手方を保護するため、できない
◇契約当事者が複数の場合
解除する側が複数:全員から解除
解除される側が複数:全員に対して解除
◇期限を付すことの可否
遡及効があるため、期限を付すことはできない
◎解除の効果
◇契約当事者間
契約によって生じた債権債務ははじめにさかのぼって消滅します。当事者
双方は、互いに相手方を契約成立前の原状に回復する義務を負います。
(現状回復義務)。金銭を返還する場合は、受領した時からの利息を
つける必要があります。
◇第三者との間
解除により第三者の権利を害することはできません。たとえば、不動産の
売買契約が、のちに代金債務の不履行で解除された場合に、第三者が解除
される間にその不動産の登記を得ていれば、解除の効果を第三者に対抗
できません。
◆契約とは・・
契約は、二人以上の当事者の意思表示が合致することによって、
成立する法律行為のことを言います。
(詳細→「契約の当事者とは・・」)
合意のうち、法的な拘束力を持つことを期待して行われるもののことで、
とくに、雇用、売買、所有などに関して行われます。
契約は、狭義には、債権契約のみを指し、広義には、物件契約及び
純物件契約を含みます。
日本の契約は、一般には狭義の意味で用いられています。
契約が成立すると、契約の当事者間に権利と義務が発生します。
権利とは、ある利益を得ることができる立場にあることを言います。
義務とは、一定の不利益を甘んじて受けなければならない、
または一定のことをしなければならない立場にあることを言います。
契約が成立しても、その契約内容が実現されなければ、意味がありません。
契約の内容とは、契約によって発生した債権、債務の内容のことですから、
契約の内容の実現とは、債券、債務の内容の実現になります。
◆契約の成立
契約の成立は、申込みと承諾が一致したときになります。
(詳細→「契約の成立とは・・」)
◆契約の効力
契約は、成立すると、無効、取消等の特段の事情がない限り、
有効なものとして取り扱われます。
◆契約自由の原則
契約は、契約を結ぶ当事者が自由にその内容を決めることができます。
契約をするかしないか、誰と契約するか、どのような契約の内容と
するかなどを、当事者の間で自由に決めることができるという原則に
なります。
◆代理人による契約
代理とは、代理人が本人のために、相手方と契約を結んだ場合に、
その効果が相手方と本人の間に発生するという制度になります。
(詳細→「代理人による契約」)
◆契約存続中の関係・・
当事者双方に対価的な債務が発生する契約を双務契約と言います。
これに対して、当事者の一方のみに債務の発生する契約を片務契約と言います。
契約の存続中には、様々な問題が生じますが、特に双務契約においては、
各当事者の債務が対価的な相互依存関係にあるため、
両債務は特殊な関係に立ちます。
この関係のことを牽連関係といい、成立上の牽連性、履行上の牽連性、
存続中の牽連性の3つのレベルで問題になります。
簡単に言うと、一方の債務に問題が生じたときに、他方の債務はどうなるのか
というこです。
したがって、一方の債務が成立しなかったとき、一方の債務が履行されるとき、
一方の債務が消滅したときに、他方はどうなるのかということになります。
◆契約の無効
公序良俗に反する契約や、当事者の意思と表示が一致しない場合は、
契約が無効になります。
◆契約の取消
取消は、取消の意思表示を行うことで、最初から無効だったことに
なるものです。
◆契約の履行・・
債権は、債務者に対して、その内容を実現するように求める権利を言います。
債務者は、債権者に対して、その内容を実現しなければなりません。
これを弁済と言います。
債務が、その本来の目的に従って、弁済ないし履行されると、
債権はその目的を達成して消滅します。
契約成立時点において、すでに給付の内容が実現不可能である場合を、
原始的不能と言います。
双務契約においては、一方の債務が原始的不能で成立しないときは、
対価的関係に立つ他方の債務も成立せず、結果として契約自体が無効と
なります。
これを成立上の牽連性と言います。
契約が成立しても、債務者が約束した日に履行をしないか、
または、債務の本来の目的に従わず、違った方法で履行をした場合、
債権は目的を達成することができないため、消滅しません。
契約締結後に、給付の内容が実現不可能となった場合を後発的不能と
言います。
後発的不能の場合は、原始的不能の場合と異なり、給付義務を負っている
債務者に帰責自由があるかないかによって処理が異なります。
債務者が、債務の履行期日に債務の本来の目的に従って、
債務を履行しないことを債務不履行と言います。
(詳細→「債務不履行とは・・」)
これに対して、債務者に帰責事由がない場合は、後発的不能となった
一方の債務は消滅します。
このとき、他方の債務も、また消滅するかどうか、
すなわち、一方の債務の後発的不能によるリスクを売主と買主のどちらが
負担するかという、危険負担の問題となります。
特定の売買契約については、売主は瑕疵担保責任という特別の責任を
負います。(詳細→「瑕疵担保責任とは・・」)
◆契約の客体・・
権利の客体となるものを、民法上、物と言います。
民法が規定している物は、不動産と動産とに分かれます。
不動産とは、土地およびその定着物を言い、
動産とは、不動産以外の物を言います。
また、物は、主物と従物とに分類することもできます。
主物とは、従物にその効用を助けられる物を言います。
従物とは、継続的に主物の効用を助ける物を言います。
◆典型解約とは・・
契約の種類としては、民法では、代表的な契約として、
13種類の契約を定めています。
これを典型契約と言います。
(詳細→「典型契約とは・・」)
◎関連記事
・民法とは・・
・債権とは・・
(記事作成日、平成29年3月8日)